あ、あの、本当にごめんなさい

一ノ瀬 彩音

第1話 ごめんなさい

園崎茜には婚約相手がおりまして、その婚約相手は無職の方なのです。


婚約相手のお名前は古橋徹。


茜自身は25歳で徹自身は25歳なのです。


2人とも同い年ですけれど、何かが違うとすれば、園崎茜は園崎家の令嬢という事。


そうなってくると茜と徹は身分違いになりまして、どうして2人は婚約出来たのか。


それは茜が徹の事を大好きで堪らないというのもあるのですけれど、

他には徹の事を面倒見ないといけない気がしたので婚約したというのも

あります。


但し、婚約している2人ですけれど、茜の周りにいる人達は茜の婚約相手である

徹に対してあんまり良い印象を持っていないし、婚約相手を認めていないのも

事実である。


その理由は徹が無職というのもあるのですけれど、果たして茜が困っている時、

つらい時、苦しい時に手助け出来るかどうかを考えている。


無職な徹がそこまで出来ないと思っているようで茜はどうすればいいのかなって

考えているのです。


茜は徹の事を信じたいし、守ってあげたいという気持ちがありますけれど、

茜の周りにいる人が徹の事を認めてないから本当に困っている。


こんな事を徹に相談するわけにもいかずにどうしようかなって悩んでいると

茜はとうとう決心するようです。


まずはお電話で徹にご連絡して指定した場所へ来てもらう事にしたのです。


茜も急いで指定した場所へ向かうと既に徹は待っていて

茜は駆け足で徹の元へ行くのです。


徹の元へ着いた茜は

「ごめんなさい、待たせて」と

言いますと徹は

「いやっ、今来た所だから気にするな」と

言ってくれて茜はホッとしているのです。


早速、茜は徹に

「大事なお話があるからよく聞いてね」と

言いますと徹は頷くのです。


茜は徹に

「まず初めに本当にごめんなさい、私の力不足で

徹との婚約を破棄しないといけないの」と

言いますと徹は平然とした顔で

「そうか、それはしょうがないな」と

言うと茜は

「それだけなの? 抵抗しないの?」と

言いますと徹は

「いやっ、抵抗してどうするんだよ、変わるのか?」と

問われると茜は

「変わらないね、ごめんなさい」と

言うのでした。


茜自身は茜の周りにいる人達から徹の事を認めていれば、

婚約を破棄する必要はないのですが、認めてない以上は

婚約を破棄するしかなかった。


茜の周りにいる人達に反対してまで婚約を突き通すのは

無謀過ぎる。


茜は不幸になりたくない。


茜の心の中ではこうするしかなかった。


茜は徹に

「本当にごめんなさい、本当にごめんなさい」と

何度も謝ると徹は

「本当に気にするな、今回は仕方がない事だ」と

言われると茜は急に両目から大粒の涙を流しながら

「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい」と

言うのでした。


徹はそんな茜を見ているといきなり抱きしめて

茜の耳元で

「今までありがとうな、茜は幸せになれよ」と

言われると茜は

「うん、幸せになるよ」と

言うのです。


茜と徹の恋愛はここで本当におしまいになるのですが、

2人にはそれぞれ違う恋愛が待っていると思うのです。


そして、茜は徹に婚約を破棄してから半年後。


茜は園崎家の令嬢として立派に振舞っていて本当に

素敵な女性となっているのです。


しかし、恋愛はしていないので幸せはまだ掴めて

いない。


きっと茜にも素敵な人との出会いがあるので

それに向けて茜は頑張る事でしょう。

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あ、あの、本当にごめんなさい 一ノ瀬 彩音 @takutaku2019

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