第7話「愛宕の解説」
二つのダンス部の廃部が決まった。後発であるモダンダンス部が全国に躍り出て、元々存在していたジャズダンス部の活動が下火になったのも今回の逮捕劇と少なからず関係していると言う。
強かったころのジャズダンス部にいた、ある責任感に溢れる生徒の一人が不正に気が付いて顧問の江澤の悪事を告発するという動きがあった。しかし顧問はあらゆる手を使いその告発を未然に防ぎ、その生徒を部内から排除したそうだ。しかしその部員はみんなに慕われていたためにその他の部員もごっそり抜けることになってしまった。不自然に部員が減ると全国に名の知られた部活であるだけに告発の騒動がばれてしまうと恐れた江澤はダンス部の方向性を見直すという大義名分を打ち出して新たなダンス部を創設し、主に初心者の育成に力を入れた。つまりダンス部の文化を振り出しに戻したのだ。幸運なことに江澤にはダンスを教える才能が抜群にあった新入部員たちはどんどん上達し、やがて後発組であるはずのモダンダンス部が全国区に名を轟かせることになった。一方で部員が減ってしまい育成の手が緩んでしまったジャズダンス部は衰退の一途をたどることになった。
しかし今回の事件の影響で、同じ顧問の息のかかっている二つのダンス部は存在自体がなくなる運びとなった。
しかしどのようにしてダンス部顧問の不正なやり取りが判明したのか。
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