ラインテルン公国アルゴール教総教会主教との対面
前回、宗教統制と各部族について(部族については増えていきます。)知ったベルゼブブは巨人族と小人族の族長から臣下の申し出と国民になることを告げられ承認するし、圧倒的パワーと大きさを誇り人間の城やドラゴンと戦ったとされる巨人族と森を巧みに利用し相手を翻弄 確実に数を減らしていく戦法を取る小人族を臣下に従えたことは言うまでもなく広まっていき、他の部族も臣下になるため、王国へと大集結しつつあった。
「巨人族と小人族を合わせたら1万人まで人口が増えたからまだまだこれからだね。」
ルシファーに笑いかけ話すベルゼブブに若干の照れながらラインテルン公国の動向について報告書を渡した。
「ベルゼブブ様、ラインテルン公国の報告書になります。」
「ありがとう」
「どれどれ 公太子派の貴族は講和条約の不当を理由に支払いを拒否をまとめ 大公に渡したか。予定通りの反応だね。」
「はい、講和条約の一つに割譲した地方の全貴族の奴隷放棄とその周辺地域にいる奴隷商人の奴隷売買禁止を盛り込んでありますからね。主要都市のラインベルとエイカードの陥落で大公の権威はかなり緩いでいますしアルゴール総教会のトップである主教と10名以上の有力貴族との会談をしてることから講和条約不履行を宣言してくるでしょう。」
「それも想定内の動き アルゴール総教会主教がどう動いてくるかな?」
まるで戦略ゲームをしてる感覚で次々と相手の動きを読む様はまさに神がかっているとしか表現出来ないものであった。
「ところで、巨人族はどうしてるの?」
「テルクバルク族という精霊族の中でも格式が高い部族との会談とここの国に住まないかという打診をしてるみたいで… 」
「何それ 私、聞いてないんだけど それにていうか 精霊族の中でも格式が高い部族と簡単に住んでくれるわけ…」
自らフラグを建ててしまったベルゼブブ 案の定 フラグはへし折られた。
「ベルゼブブ様の住んでいただけるそうですぞー。」
「マジかよ… そういうことは私に言ってよ。」
「いやー 最初から臣下になって頂けるみたいで途中の道で会いました。」
「うんうん そうなのかよ。」
頭を頷かせながらも内心驚いていた。
「それに他の民族も集まりつつあるそうです。」
「まだ民族がいるの?この前聞いた時では20ぐらいしか… 」
ルシファーを睨むベルゼブブ それに目を背けるルシファーという構図になっていた。
「初めまして テルクバルク族族長のイノールと申します。」
「こちらこそ 初めまして ベルゼブブと申します。国王をやっており、そこの隅にいるのが実質的No.2のルシファーです。よろしくお願いします。」
「初めまして イノール様 ルシファーと申します。ここが首都のファラキアと言う所でございます。」
「うん、知っておるぞ。そんなに固くしなくても良い。ベルゼブブ様、我々 テルクバルク族も参加に入らせて頂こうと思います。よろしいでしょうか?」
「どうぞ 臣下の証明書にサインと別の民族について教えていただきたい。」
「はい、どこまでお知りになられてますかな?」
「悪魔族、エルフ族、コバルト族、ゴブリン族、リザードマン族、ゴルゴーン族、ケンタウロス族、獣人族、妖精族、精霊族、巨人族、小人族、グリフォン族、ブリザードウルフ族、ピクシー族、半獣族、半魔族、ファイヤーウルフ族の20種類は知っていますがまだまだいるのですか?」
「あのルシファーという子が言ったのはここら辺りにいる部族です。ユグドラシルは広大でどこまでも続く世界線と呼ばれるほど広く実際のところ種類や部族は全て知られていないのです。ここの森を守っているタランチュラ族やケンタウロス族もあまり人間族やここで住む部族でさえも知らなかったほど接触せず、外界とは隔絶されているのです。ですが、貴方様はそのもの達を集めさえするほどの強大な力を持っていると言えましょう。」
「なるほど 私はこの世界でチートですか?」
「この世界全部族総出で戦ったとしても勝てないでしょう。神様と同等 いやそれ以上かもしれませんな。それにもうすぐあやつらも来るでしょう。この世界を作ったと言われガイアの血を持つラノス族が… 」
神ガイアはギリシャ神話に出てくる色々な神々と血筋が重なりまた人類にもその血をが流れているとされこのユグドラシルにもその血筋を受け継いでいる部族が存在している。
「ラノス族は大地の民と呼ばれ、ユグドラシル創設神とされるガイアの血筋を受け継いでいる部族で人間族も奴隷狩りの対象から外されるほどです。普通の人間族と見た目は変わりませんが比べ物にならないほどの魔力を持ち、非常に怪力だと言われている部族です。」
「その部族がラインベルに住めば人間族は手を出せないし、この国に留まる人間族にとっては神聖なものと崇められる存在を臣下にしているとなれば都市国家のいくつかは我々の国に併合を求めてくるかと」
このユグドラシルの世界では中世ヨーロッパのような諸侯が支配する都市や市民が民主的統治をする都市国家、中小国家がごまんとあり、帝国や王国の属国として守ってもらうか中小国家同士での同盟を結んだりして支配体制を確立していたのだが突如、現れたサントゥクスナ・パラディース・アールデン王国によって中小国家の中でもかなり力を持つラインテルン公国が負けたことで動揺が広がり、奴隷の集団脱走が各国で相次ぎ 王国へと向かう者が増えたこともあり着実に力をつけてきたこともあり、併合を求める都市国家も出てきていることは事実であった。
「都市国家併合の前に王国から帝国への移行と帝国憲法の制定作業を始めないとね。」
「ははっ!! 我々が準備しておきましょう。帝国化は我々の国民にとっても良い事かと思われます。」
「うん、分かった。それにしても領地が増えたね。」
「エイルロントとバラディスタを含む8地方と都市国家、自治都市が帝国領土になりましたからね。それらを合わせてもラインテルン公国とはまだ国力の差があります。整備もしっかりとやっておきます。」
新たに増えた地方はエイルロント、バラディスタ、フシャイン、カエトリア、ミロトロ、オリビディン、ミストラル、レフターニャントの8地方 現在合わせて12 そのうち2が大森林地帯であり首都が置かれているファラキアも森の中にあり全ての地方と都市に速やかな道路整備が行われた。
「うん、整備事業も進めながら敵が攻撃を仕掛けてくるかもね。」
「はい、ラインテルン公国はパコルト、フェラントリア、プロリアストの3つ国の周辺国と同盟 アルゴール総教会領ラバストもありますから強気に攻めてくる可能性もあるかと 」
そこにサレオスが現れた。
「くっくっく ラバスト領内で主教の機密文書を手に入れて参りました。」
「流石、ナイスタイミングですね。」
「アルゴール総教会主教には黒い騎士と呼ばれる暗殺組織がいますと聞きます。どうされるおつもりで?」
「くっくっく 主教選挙は今回、あれそうですね。」
「なるほど ピエーロル主教はライバルの最高神官を事故死に見せ掛け暗殺 主教選はピエーロル1人となり当選以後、主教に居座り続けてるのか。」
「それは酷いですな。そいつ 蠅騎士団団長として成敗してご覧に入れましょうか?」
「それはいいよ。アスタロトには別のね。しごとをしてもらうよ。
「はっ!! なにをしましよう。」
「アルゴール総教会主教に会いに行って相手がどう動くか…ね? アスタロトにも着いてき貰いましょう。」
「はっ!!」
「くっくっく 了解 邪魔されないようにしておきます。」
「アルゴール総教会へ行きましょう。頼みますよ。アスタロト」
「了解致しました。」
アスタロト率いる蠅騎士団の護衛と巨人族の下 ラインテルン公国領 ラバストにアルゴール総教会主教の元に向かうベルゼブブ一行である。
「サレオスさん、あいつ凄いっすね。
色んなところから突然現れて 」
「あれは魔法です。私も出来ますよ。ただ、黒い騎士もあれを使えるかも知れませんね。」
「なんですと!!敵影どこだ!?」
「もう見つけましたよ。
日本語読みだとくぐつけつになるこの魔法は虫を操る能力を持つベルゼブブの特有魔法でただのサソリを召喚するのではなく魔法発動対象者の至る所から現れたサソリが身体に侵入され、脳みそを直接操らせることが出来る眷属。記憶や使える魔法を自分の意志関係なく発動させ味方を攻撃させたりスパイつまり諜報員にされたりして最後には脳みそが食い尽くされ身体から大量のサソリが放出され、同じことを繰り返し行わせることも出来る。
「なんだこれは!!ヌグッァ」
身体中にサソリがよじのぼってきている。払っても払ってもサソリの数にどんどん押しつぶされ、寄生される黒い騎士メンバー
「名前は?」
「アレオーゴル」
「何しに来た?」
「主教様の命令で魔物を討てと命じられた。グハッ!!」
口から大量の血が出ているが死ぬ様子はなく寄生された者はゾンビのような感じになる。ただし、噛み付いても感染したりはしない。(サソリの卵がなければ…)
「なるほど だから私に
「流石、ベルゼブブ様だ。どうやって見つけたんですか?」
「射角ですよ。」
「なるほど 射角 とは一体なんでしょう?」
「はい。説明すると」
基本、弓は高所や遠いところを狙うのは不向きのため、同じ高さで矢がギリギリ届くであろう300メートルで狙撃するには木の上か山の上から風向き的に目の前にある大きな木から足場が不安定の状態で狙撃を試みたが弓の鏃が微かに光ったことでバレて更にサレオスがよく移動で使う魔法を使ったことで完全に位置が知られてしまいベルゼブブにやられた。
ちなみに
「なるほど そういうことで サレオスは知っていたんでしょうか?」
「ええ、多分、そういうことをしろ…って言うわけですね。」
何かの決意を固めたベルゼブブ それを察し無言で方に乗せアルゴール総教会へ向かうこととなった。
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