ベル転(いつの間にか大悪魔ベルゼブブに転生し建国しちゃいました。)
ミントグリーン
プロローグ
ある年の夏休み
そのバスの運転手はいつも決まって
「こんにちは 」
「はい、こんにちは 今日は特に暑いねぇ。部活の帰りかい?」
「はい、毎朝やってます。夕練もやるので毎日クタクタですけどね。(汗)」
「そうかい。無理をしないように頑張るんだよ。」
「ありがとうございます。」
何気ない会話 いつもと変わらないバス いつもと変わらない風景が突如として崩れた。
ガッタンっと言う変な音がタイヤ部分から聞こえ、タイヤが外れキューーーーーイーーーーーンっという音ともにガードレールにぶつかり横転してしまった。
もちろんの事ながら梁野さんは即死 奏音は生死を彷徨う大怪我を負う事になったが間もなくして亡くなってしまったのであった。
一方、奏音の魂は異世界へ飛ばされどこかの生物 いや… 長くに渡り寝ていたはずよ大悪魔ベルゼブブに魂が入ってしまったのである。
「ううん… よく寝たな。」
目を覚ますとバスの中ではなくどこかの洞窟の中であり、暗闇の中であるはずなのに天井も自分が座っている椅子も見て取れた。
「ん? ここは一体 何で私は椅子の上に座っているんだ?」
椅子から立ち上がると沢山の虫が集まって神輿のような形になって外に連れ出してくれた。
「この子達は一体… うっ… 」
ベルゼブブの前の記憶が覚え出した。
人間との戦い 破滅の一歩まで追い込むも和解し長い眠りについたこと このたくさんの虫は眷属つまり家来であることを覚え出した。
外に出てみると沢山の強そうな大型の虫や幹部であるルシファーなどの大悪魔達が勢揃いしていたのである。
その一方で、ラインテルン公国の大魔導士長はベルゼブブ復活を感じ取っていた。
「私は、佐々木奏音です。何故かこのベルゼブブという大悪魔の魂になりました。この世界のことは知りません。」
そう宝高に宣言すると幹部であるルシファーなどの大悪魔たちが教えてくれた。
「貴方がベルゼブブ様の
佐々木家は代々、強力な力を持つ神主として天皇に使え陰陽師や陰陽頭、禰宜などを輩出した家柄
その中でも近代において特に秀でた力を持ち、抜群の運動神経と洞察力を持つことから歴代最強と言われていたのだ。
「その不思議な力で私はこの大悪魔であるベルゼブブに転生したのですか?」
「はい、ベルゼブブ様の体が早く死ぬのはもったいないと判断され、魂にされたということです。」
「なるほど 状況は理解出来たけどまだ体は動かしにくいな。」
「そのうち慣れますよ。それに喋られてるなら安心です。」
「確かに」
(またいつの間にか会話ができるように…何でだろう)
「それは…」
ルシファーの会話に割り込む形でアスタロトが話し始めた。
「ベルゼブブ様 お久しゅうございます。アスタロトでございます。」
「誰でしょうか?」
不思議そうに見つめるベルゼブブに
「またまた、ご冗談を ハエ騎士団団長アスタロトでございます。」
ルシファーはすかさず会話に割り込みアスタロトとの会話を終わらせた。
「覚えていないのも無理もないまだ、前世の記憶を覚え出されていないのだ。少しずつ覚え出してもらうのが一番であろう。」
「そうですな。失礼を致しました。」
「いえ、私は何をしに転生されたんでしょうか? 」
「これをご覧下さい。」
ルシファーから手渡された古文書にはベルゼブブが眠って1000年は平和で人獣それぞれ仲良く暮らすだろうが人間は欲にかられどんどん争い事が増えてゆくであろう。その際に永き眠りについたベルゼブブに新しい強力な力を持つ魂が宿り建国するであろうとそう書かれた古文書 この後、実行されることになる。
「なるほど 私の力で平和に導けということなのですね。」
(どこのラノベ主人公かよ!!)そう心の中でつっこむ奏音はとりあえずやってみることにした。
「平たく言えばそうなります。この世界は今や 騒乱の時代を迎え、獣人と人間、エルフ、ケンタウロスなどの諸民族が争い傷つけあっております。平和のためにどうか建国をしていただきたいと申し上げます。」
頭を下げ、懇願する眷属や大悪魔たちの意志を尊重し新たな国を作ることにした。
「分かったよ。死んだからもう一度領主みたいなことはしてみたい感はあるしね。」
この一帯の森はホワイトサントゥクスナと呼ばれ白き神聖の地という意味があるため、サントゥクスナ・パラディース・アールデン王国という名前で建国が宣言 周りの大悪魔ソロモン72柱が支配する森を含む地域とマーラ パーピーヤス アスラ ヤクシャ イブリースアカマナフ ドゥルジ サルワ タローマティ タルウィ ザリチュ アンラマンユ ナース インドラ ノーンハスヤ 織田信長 武田信玄 上杉謙信 徳川家康 毛利元就 山県昌景 本多忠勝 井伊直政 安倍晴明 酒井忠次 山本勘助 島左近 大谷吉継の28名の名だたる武神領を合わせた地域が国家の領地となった。
「色々な人種がいるけど一生懸命まとめていくからよろしくね。」
攻めも守りも内政も全てにおいて完璧と言える布陣であり、ホワイトサントゥクスナは攻めにくく守りやすい天然の要害であり要塞のような使い方として期待出来る地域であった。
「はい!! 新しい領主であられるベルゼブブ様に絶対なる忠誠を!!」
「こんにちは ベルゼブブ様 建国おめでとうございます。この地域の特産品はブラックダイヤモンドと呼ばれる鉱石と木材、それを加工した工芸品などになります。」
「ブラックダイヤモンドってどういう鉱石何ですか?」
「ブラックダイヤモンドはかなり貴重でここの地域のみしか取れず高価な代物になります。名前の通りダイヤモンド並に固く黒い色をしているため、貴族の間ではそれを手に入れることが力の象徴になっているようです。」
「なるほど それは凄いですね。私も欲しいな。」
「後ほど大きくいいものを用意させます。」
(ルシファーくん、冗談で言ったんだけどな…)
「あとは何も無いのです。」
「何でです? 特産品も沢山あるし… そうか… 道がないのか…」
「はい、手を貸そうにも道がなく真ん中に大きな湖でエルフや妖精族、精霊族、コバルト族などが村を作ってますが… ご覧の有様で…」
家はワラで作られてはいるものの囲いもなくいつオオカミなどの肉食生物に襲われてもおかしくない状況だった上に質素な武器しかなく奴隷狩りにかられやすい。
「なるほど、今の現状は理解出来たのでまずは、家と道の整備を皆さん、始めましょうか。」
「どうしてですか?我らなら野宿すればいいものですが…」
「それは文化的生活とは言えません!! 立派な一族としてちゃんとした家を作り城下町を作ります。悪魔の大幹部が野宿など国として威厳がなくなります。」
それに大悪魔と言えどドラゴン族に襲われればひとたまりにも無いためそれを避けるための手段として家を作らせることにした。
「はっ!! どうしたらいいのでしょうか?」
「まず、有り余る石材で囲いを作り城壁を立てます。大悪魔が支配する地域にも支城を建て防衛強化と領民の統制をはかります。
もちろん、国民のために家を建てていきますが5メートルずつ空けて作り火事対策を出来る家にしましょう。」
「分かりましたか?」
「はっ!!」
悪魔たちと周りにいるコバルト、エルフ、妖精族、精霊族、ゴブリンたちなどの諸民族と協力して道と家が僅か1週間程度で完成させ、さらにベルゼブブに内緒でベルゼブブの主城つまり家となる大きな城も完成し、目隠ししたベルゼブブが主城の目の前に連れてこられ目隠しを外すとそこには立派な洋式と和式が混じったお城が建っていた。
「これは… 凄い!!」
驚きのあまり声も出ない
「どうですか。この立派なお城は!! この大森林を支配しているベルゼブブ様のためにエルフやゴブリンなどの諸民族と協力して作りました。」
「ありがとうございます。これで一層領主として頑張らないと…」
少し涙目になっているベルゼブブに心を打たれた諸民族はベルゼブブへの臣従を近い、この国の国民になった。
大々的に行われた建国式典にはエルフのトップであり族長のタフィーラド、精霊族族長レナード、妖精族族長パランド、コバルト族族長カフィーゼ、ゴブリン族族長イドラドが参加し全エルフ、精霊、妖精、コバルト、ゴブリンとして忠誠を捧げ臣従することを宣言したことで他国では騒がせるきっかけになった。
「他国は大慌てだよ。エルフたちを捕らえて奴隷にする計画を立てていた奴隷商人はラインテルン公国の国の貴族に圧力をかけるようお願いをかけているようだよ。」
「ベルゼブブ様の予想通りの行動だな。」
「奴らにとってはこの国は未知数な上にラインテルン公国の大魔導士長のおっさんはベルゼブブ様の復活に気づいていたようだったよ。」
「動いてくると思うか?」
「それは無いね。ラインテルン公国の大公子と有力貴族との権力闘争で国内では大混乱な上に奴隷が集団脱走していてこの国に向かっている際中。」
「なるほど だからこの時期に建国式典を行ったわけか。この中にないればパーティーに招待されたと言えばシラを切れるし下手なことをすれば国際問題になりかねないからな。」
「さすが、ベルゼブブ様 正確な読みだね。」
そうこうしてるうちにラインテルン公国から逃げてきた奴隷が保護された。追っ手の兵士らは毒虫や大型の蜘蛛に追い払われ逃げ勝っていった。
「大丈夫かい?」
「ありがとう。」
ゼーゼー言いながら水を飲み欲し、食料を与えられると貪るように食べた。
そんな過去な現状を知り奴隷反対派の国として奴隷亡命者保護及び育成法という国初めての法律を作った。
内容は奴隷の身分の人が亡命した場合、どの国との引き渡しにも応じず、食料や住まいまた教育を与え仕事を斡旋し自立できる生活を保証するという法律
その法律は即日施行、亡命者が増えることで人口も、収益もかなり増えてきた。
翌朝の定例会議では人口と収益の増加の報告が行われ順調に成長してることを示唆していた。
「人口はもうすぐ8000人を超え、国家連盟が結成できる1万人はもうすぐでございます。」
「うん、じゃあ、省庁設置法を出すよ。異議ある人?」
誰も手を挙げず可決された。
「省庁とは一体…?」
「簡単にいえばわたしの補佐をする人のことかな?」
「補佐てすか? どういうことなんでしょうか?」
「つまり、ソロモン72名及び28名の武神、各族長にはそれぞれ大臣及び副大臣、次官、陸軍と魔法軍の総司令官と総副司令官、軍団長、支城主並びにその地域の市長、町長、村長、自治都市市長など副市長も含めて役職を与えたいと思うよ。」
「なんと我らだけではなく下級悪魔にも役職をお与えになられると言うことですか?」
「うん、もちろん戦績や功績に応じて昇給と昇級をするよ。」
「はっ!!」
定例会議が終わり、ラインテルン公国との戦争に向けて何かを行っていた。
「戦争をするのですかラインテルン公国と」
「うん、だからシャックスに諜報活動を終わらせおいたんだよ。」
「いつ攻めるおつもりですか?」
「今すぐなら準備しても相手の物量に押し負けちゃうかもしれないでしょ?だから、爆発させるまで」
「えっん? なんと言いましたか?
「アルコールの蒸留所を爆破させ敵を混乱させてからエイカードを落とす作戦です。」
「しかし… いや、まさかそんなこと…」
「えぇ、爆破を広範囲にさせておいたので門も吹き飛びます。その結果、門は自動開城され王国軍が二方向から責め立てれば陥落するでしょう。キツツキ戦法を応用したものですがね。」
「その作戦 完璧にやらさせていただきます。」
ルシファーは謎のやる気を出してラインテルン公国との戦いを始める。
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