雨
「じゃあまたくるよ。」
浩介と誠優は見送ってくれた。
「さてと紅乃行くか。」
…いつものように出てきてくれない。うんとどうしたのだろうか。
「紅乃。」
「あ、寝てた。」
「じゃあしょうがない、運ぶからベースに戻って。緋。」
「うんありがとう。」
久しぶりにベースを背負う。懐かしい。紅乃が来てからは、人間の姿になって歩かせていたから。多分誠優さんと遊んだから疲れたのだろう。
「…歩く。」
突然出てきた。
「どうしたもうすぐ着くよ。」
「いや、歩く。」
何故だか、口調が強くなる。
「まあいいけど。」
「ゴミ捨て場ないよね。」
「何言ってるのだかよく分からない。ていうかゴミ捨て場がないぞ。」
「ならいいや。」
そんな話をしていたら家に着いた。
「緋戻って。」
さてと、疲れてあることだろうし今日は弾くのをやめよう。
勉強していると雨が降り出した。次第に土砂降りになる。
なぜか呼んだもいないのに紅乃が出てくる。
「…この音嫌。…ねえ楽器のカタログないよね。捨てないよね。」
いったい何の話しをしているのか分からない。捨てるということがないし、カタログもない。仕方ないからスピーカーをかけて落ち着かせた。
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