悪役令嬢は鳥籠の姫。

葉叶

とある誰かの記憶。


『もし僕が君を忘れても

僕はまた君に恋をする』


いつだったか珍しく真面目な顔で彼に言われた言葉が

ふと頭をよぎる。


「本当…馬鹿。」


ポツリと空を見ながら呟いた。


あんな言葉を吐いた彼は今私の隣には居ない。

それは、悲しくもあり同時にこれでいいとも思えた。


「いい天気…」


草原で寝転がりながら空に向かって手を伸ばす。

どう足掻いても手など届かないとわかっているのに…

それでも手を伸ばさずにはいられない。


もし、戻れたとしても私は同じ事をする。

そして、彼との時間を大事にして一人で生きていく。


「…これが…私のHappy Endよ」




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