吾輩はモブである!名前はまだない

かんがる

第1話

1話


我輩はモブである!

名前はまだない!


多人数の集合体の一つに過ぎない

何にでも形を変えるスーパー生命体

ユニバーサル

万能生命体である!


おおっと!

主役キャラが生まれ現れたようだ!


無性透明の馬鹿でかい塔のような集合体から

いくつものモブが切り離される!


お、私の番が来たか!

久しぶりのシャバの世界である

この前は木だったか石だったか?

何百年も前のことは忘れた!


主人公の周りに

世界観が構成されて

色鮮やかな世界が広がっていく・・・


むむむ、

世界観の背景枠から外れた?!

コレはもしかしたら一万分の一の確率の

上級モブ民の可能性すら出てくる


宝くじに当たるようなものだ!

街のNPC枠のセリフ付きなどなれた日には

大出世!貢献度次第ではのちの世界の

主役枠の一部までありえる


コレは出世コース!とても名誉なことである


小説のナレーターの

ものがたりの世界観の話が終わる


「そして悪い魔王から世界を救う

勇者が旅立つ・・・」


スゲエ陳腐な内容のスタート

今時はやんねーぞボケが

違うだろハゲーとか毒づきながら

コレは駄作だなと厳しい評価をしつつ


自分の役に期待を踊らせる!

どんな駄作だろうが俺の出世がかかっている

最善を尽くすのみ!


街の配役が決まり次々とNPCモブが設置

モブとしての給料分の仕事が割り当てられる


私の番はまだだ、

シナリオを眺めると


勇者はソロで戦いに旅立ち、

苦戦して帰還してギルドで仲間を探すとある


今時、仲間と友情を 育みながら

育成成長ものねー

きょうび流行んねえよ

スカッと爽快物のチートの俺tueeee

そちらの方がまだ見込みがある


冒険者になって勇者と組めねえかなー

そうなれば輪郭だけの顔なしモブから

大出世なのだが!



お、冒険者ギルドに配置

まだ配役が決まらず物体エックス状態で

ウネウネしてる


前のやつもそうだ!


人間という事は表情変えたり

言葉を喋る自由な権限は認められているはず!


「オイ!前のモブ!

取引と言うか話をしないか

まだ配役決まってないので

うちらはPT知り合いでコンビ仲間設定で

協力して勇者を落とさないか?」


「いや〜なんか設定が女司祭で実は女神で

レベルアップを教える担当とか・・・」


「そんな事はどうでも良い!

お前は駆け出しのプリースト見習い!

キャピキャピしてる女性の役作りしとけ

それ以上でもそれ以下でも無い!

元の設定は裏設定にでもしろ」


なぜ主役級キレそうになる!


【このシナリオくそ】だからくだらん

打ち切り消滅よりまだいい


「二人じゃまだ確率的に悪いな

そこの辛気臭そうなローブの魔法使いモブ」


「お前は駆け出しの魔法使い

それで今の勇者と釣り合う

お前も仲間で共闘関係を組む」


身勝手で強引なモブである


「あのー実は私は魔王様の腹心役で

人間に擬態して

勇者の偵察に来て帰るだけなので・・・」


ブチブチ!なんだよこの主役級ばかりの

ネームド喧嘩売ってるのか!


「お前はぶかぶかのローブを着た

ショタな魔法使い見習い!」


口癖はえへへ!


「魔王の腹心など裏設定にしとけ、

そんなん土壇場で勇者裏切るか

魔王を裏切って正義の味方でもしとけ」


このシナリオは・・以下略


そしてお膳立ては仕上がった!


続く


あとがき

区切りつけた!



能あるモブは爪を隠す、

勇者の前では配役をロールプレイし


裏では悪逆の限りを仲間と始める

理由はこのシナリオは以下略!


12話完結のギャグです!

2話づつアップ予定

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