虫と人、
縁戸 樂
第1話
とある夏の日。
陽炎が絶たない残暑。
虫の声が止まない夏。
俺は怠惰に生きている。
虫は勤勉に生きている。
俺は怠惰に生きている。
虫は何故勤勉であるのか。
人は何故怠惰であるのか。
虫は何故勤勉であるのか。
その答えはある。
「油断の差」だ。
正しいとは限らない。
答えは答えではないからだ。
虫と人。
進化しなければならない人が退化している。
虫は退化するべきだとは言わない。
いや、言えない。命に対する侮辱に値するだからだ。
一生懸命に生きたいと願うが叶わない虫の気持ちを考えたことがあるか?
そう思ってるとは限らない?
逆に考えるのだ。
そう思っていないとは限らない。と。
虫は食物繊維の下層にいる。
人には分からない事だ。
頂点に下層の者の気持ちはわからない。わかろうとしない。
下層にいる故に知識がある。
逆に人は頂点にいる故に知識がない。
俺が何を言いたいか分かるかい?
虫と人、 縁戸 樂 @Endless_The_Me
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