オーパーツ
「こちらは
「イギリス人のヘッジス氏がベリーズで発見したものですね」
「さすがにお詳しい。ではこちらは如何ですか?」
「これは……まさかネブラ・ディスク! 人類最古の天文盤です。まさかここまで再現できるなんて!」
「我々は普段歴史的遺産の修繕活動をしておりますが、特に『オーパーツ復元』には力を入れているのです。貴女のような研究家にならこの価値を分かっていただけるかと」
「ええ、分かりますとも! 少しずつ人類の歴史を辿っていけば、いつか歴史的空白と言われる二十世紀から二十一世紀のことが解明できると思うんです」
「そう、そしてその人類史から消失した時代の遺物がこちらに」
「これは……? 妙に硬質な素材で作られた箱だな」
「これは『電子レンジ』といい、中に入れたものをマイクロ波で温めることができます」
「な、なんだって!? 何という技術なんだ……」
「そしてこちら」
「これは手のひらサイズの……板のようですが」
「『スマートフォン』という遺物です。世界中の人と意思疎通が図れたという代物ですよ」
「信じられない! 一体失われた時代には何があったというんです。過去のことだというのに、まるで遥か未来の話のようだ!」
「一説によると、技術が発達するにつれ人間が怠惰になったのを嘆いた神が地上に罰を与え、文明レベルが著しく下がったのだそうです。未来の話というのはあながち間違ってはいないかもしれないですね」
「では、このままだと我々にも罰が下ると」
「怠惰であれば、ね」
「ふふ、面白い仮説ですね! あっあれは何ですか?」
「あれは『 』という、二十一世紀末に作られた遺物です。あれのせいで人間が働かなくなり、神の怒りを買ったとも言われています」
「へえ……動かせますか?」
「神がお許しになるのであれば」
「なるほど」
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