葬式


 ドアを開けるとバカデカい耳がそびえ立っていた。

 えっ、と一瞬息が詰まるものの、生きていればこういうこともあるよなと順応に努めた。

 そして私は吸い込まれた。

 あれ、右耳だったか左耳だったか確認してないや。こうなるんなら耳たぶを蹴って感触を確かめておくんだった。


 気がつくと私は布団で横になっていた。

 頭の上に何かの気配を感じる。

 どうせ今度は巨大な口に落ちていくか肥大した鼻の穴に吸い込まれるんだろ。お前の思惑通りに事を運ばせてたまるかってのよ。

 私は目をつむる。全身の力を抜き、放尿した。ファンタジアめ思い知ったか

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