第弐東京妖怪大全

えんとつ

陶芸教室

 ぼくは月に向かって歩いてみた。

 なんだか今夜は行ける気がしたんだ。


 着いてから、そうだ、みよちゃんも呼んで来ようと思って、戻ることにした。

 おもいきり膝を曲げて曲げて溜めてからのジャンプで月を離れた。

 3分の2を過ぎた所で猛烈な向かい風が吹き始める。こちらの推進力とあちらの強風の力がちょうど拮抗した地点でぼくは両腕両足を伸ばしながら止まった。

 しばらくその姿勢のまま、待機した。


 そこに通りかかった小さな鳥が話し掛けてきた。

「おい、なにしてんだよオメーは」


「ぶばばばもわわあが」

 口を開くと強風が容赦なく吹きすさぶ。


「ちっ話し掛けるんじゃあねえや」


「ばばたたああちゃちじやあああ」


 鳥になりたい。鳥になりたいと思ったそうな。



 びゃびゃばじょにやあああ









 みよちゃんって誰?

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