ある騎士(仮)の愚痴

どうも、私は王国の騎士(仮)でございます。


「お前は…私が居ない間になんて事をしてくれたんだ!!!!」


只今絶賛国王はお怒り中です。

え?様つけないといけないだろって?

俺は別に国王に忠誠誓ってないし心の中だけだからいいんですよ

さて、気になるお怒りの相手は


「何故私を怒るんです!?

あの女は、ミサカを虐めたんですよ!?

醜い嫉妬で!!」


国王も俺もこの場にいる皆がポカーンと口を開けるしかなかった。


「お、お前それは本気で言っているのか?」


流石の国王も驚きを隠せないようです。

まぁ、そうですよね。

頭の中お花畑以前に頭の中にカビでもはえてイカれてんのかな?って俺は思います


「当たり前です!

ミサカは俺に寄り添いこの国の国母となる女です!

あんな醜い女ではありません!!」


「あのー、国王様ー

俺そろそろ騎士辞めてもいいっすか?」


どうやら、ここに居る意味もないし


「なっ!お前不敬だぞ!!

私と父上が話しているのに下等な人間が口をはひゃっ!な、何をするんです!父上!」


やばい…普通に笑いそう。

頭を叩かれて盛大に舌を噛むバカ王子

駄目だ!こらえろ!俺!


「お前は何て態度をするんだ!!

す、すまない!だが、居なくなるなど言わんでくれ!この通りだ!」


頭を下げる国王を見て狼狽える王子


「いやー、もう契約外なんでー。

姫様居ないしー、そろそろ迎えに行かないと泣いちゃうんでー。八つ当たりされるのは勘弁っすわ」


国紋がついた鎧を脱ぎ捨てる。

はー、やっぱり鎧は暑苦しかったわ!うん!


「くっ!全部お前のせいじゃ!!これでこの国は終わりだ!!お前のせいで!!」


国王は顔を真っ赤にして持っていた杖でボカスカ王子を殴る


「痛いっ!痛いです!

な、何故そんな怒ってるんですか!?

あんな態度をとる騎士が辞めるくらいで国が終わりなんです!」


「お前…今まで何を学んできたんじゃ。

この国が誰のおかげで成り立っていると思う!

誰のおかげで戦争もなく飢える事もなく生きていけてると思ってるんだ!」


「そ、そんなの我ら王族のおかげではありませんか!!」


王子って運動も出来ないわ

勉強は嫌だって言って逃げるわで結局ただの屑でしかないんだよねー


「違うわ!!

この国は吸血鬼によって守られ飢えぬ様精霊達が豊作にしてくれているんじゃ!!

お前のせいで精霊達は居なくなる!!

この意味がわかるか!?」


それでわかるならあんな事しないと思うなぁ。


「父上!吸血鬼等御伽話であります!

それに、何故精霊が居なくなるのです!」


「…御伽話などではない。

お前が罵倒し婚約破棄したのは、各種族から愛され加護を与えられた娘。

捨てられていたあの娘を大切にしてくれるならその代わりにこの国に繁栄を約束する。そういう約束じゃったんじゃ。」


そう、姫様は人外の愛し子。

人ならざるものから愛され愛され愛され過ぎてしまう。

何処かの種族に預ければ戦争が起きる。

それならば、この子を何処かの国へ預け見守ろう。

各種族でそう話し合いこの国へ預けられた。

因みに俺は、赤子だった姫様の手によって作られた存在。

この事を知らないのは姫様だけ。

何も知らずあの家で育ち今まで生きてきた


「そして、あの娘を傷つけた場合

楽に死ぬ事は許さぬとそう言っておった。

お前はあの娘を傷つけたばかりか、魔神の元へ捨てたんだ!!

いくら馬鹿なお前でもこの意味がわかっておろう!?」


「そ、そんなっ!?」


「あのー、真剣なお話の所申し訳ないんですが

既に皆来てますよー。」


バンッ


扉が吹っ飛び現れたのは


「これは、何事じゃ。

説明せぃ。サスケ。」


扇子をスッと俺に向ける九尾のアヤメ


「何で姫ちゃん居ないのぉ?

せっかく会えると思ったのに!!」


飴を舐めながら俺にプンスカ怒る白虎のチナ


「…」


無言で涙を流す吸血鬼の始祖セッカ


他にも何故か俺に向かってガーガー喚く皆様。

俺に怒られても俺は何もしてませんってー

ちょっと留守にしてる間に姫様消えちゃうんだもんなぁ


「あー!もう、うるさいっすよ!

とにかく!俺は姫様の所行くんで!

今俺を行かせてくれるなら姫様にプレゼント渡してあげますよ?」


渡される物を片っ端から空間に突っ込み


「んじゃ、皆様お元気で!

あ、王子は楽しい時間を楽しんで下さいね?」


ニヤァっと笑って謁見の間の窓から飛び降り姫様の気配を探す。

加護がつきすぎたせいなのか何故なのかはわからないが

姫様によって作られた俺にしか姫様を見つける事が出来ない。


「あ、いたいたー

ん?うぇー…まさか出会ってないよね?」


姫様の気配の近くに何かドデカイ反応があり正直ゲンナリする。


「ま、行くかー」


姫様の気配に向かって取り敢えず走りまーす!


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