6/18 「浦島・SM・メタ太郎」
「んほおおおおおおお♡♡♡」
前回までの「桃太郞フラグメント」で足りなかった下ネタ成分を補充するべく、とりあえしょっぱなで叫ばせてみる。
その声の主は……今回は浦島太郎のパロディなのだから、亀しか考えられないだろう。浜辺にて荒縄で亀甲縛りにされ、口にはギャグボールを咥えさせられている。その甲羅をムチで叩く、ボンデージ姿にパピヨンマスクを着けた女王様がいた。
物語を進めるには、このまま亀をしばいていてもしょうがない。すぐさま紙幅の外で浦島メタ郎なる漁師の男を作り上げ、その浜辺にぶん投げた。
「おわっ、なんだ!?」
突如として砂浜に放り出された浦島は最初は驚いたが、すぐに自分が釣りをしにきたことを思い出す。ならばよい場所を探さねばと浦島が辺りを眺める。
そこで最初に目にしたのが、ボンデージ姿の女王にムチで叩かれ嬌声を上げる緊縛された亀であった。
「こらー! こんなところで亀をいじめるなー!」
純真無垢であるところの浦島には、その構図はただ女が亀をいじめている図に見えた。その方が、今後の展開的にありがたいからである。
「あら、坊やもお仕置きされたいの? もしかして童貞?」
亀をいじめる手を止め、女王は浦島に問い掛ける。
「御託は結構! 引かぬなら暴力に訴えるまで!」
浦島は物語を効率よく進めるために短気であった。見限ったのか、女王は「もう、つれないわねぇ……」とそのままどこかへと立ち去っていった。
「ふご!?
何を言ってるのか分からないので、浦島はギャグボールと荒縄を外してやる。
「ぼはぁ! あぁ……男に外されたらなんか興ざめしちゃったよ……」
亀は頭をげんなりさせる。そして浦島に、どういう状況だったのかを説明した。
さっきの女は亀がひいきにするSM嬢であり、亀は今回浜辺での羞恥プレイを希望していた。しかしそこに浦島が乱入してしまい、気分屋である女王様が帰ってしまったというワケである。
「それはすまなかった。代わりに何かしてやれることはないか?」
作者により仕組まれた出来事とはいざ知らず、浦島は亀にお詫びがしたいと申し出る。すると亀は、またその頭をぐんぐんと奮い立たせた。
「ならば君! お金は幾ら持っている!?」
「金? まぁ一生困らないくらいには……」
浦島は金持ちだった。
「それなら話が早い! ボクと一緒に行ってみないか、『竜宮城』に!」
「竜宮城?」
「あぁ……この世のどんな風俗よりも素晴らしい、まさにエロスの豪華海鮮丼! 行くっきゃないっしょ!」
そのまま強引に海中に引きずり込まれ、浦島は亀と共に竜宮城へと向かった。息はギリギリ持った。
門でキャッシュ払いを済ませると、その大きく分厚い門が開かれた。
中はもう、ものすっっっごくエロいお姉ちゃんが山ほどいた。
入り口のラインを越えてから三秒で浦島は童貞を卒業した。
その後はもう、語るまでもない。より正確に言えば、今日はこのリハビリにあんまり時間を掛けたくないので語りたくない。
かくして出すもの出し切った二人は裸の美女達に引き連れられるまま、この竜宮城をとりまとめる乙姫とやらと面会することになった。
女王の姿を隠すベールの前で、二人は全裸で頭を深々と下げる。
「よい、
そう言われて顔を上げてみれば、そのベールが取り払われ、乙姫の姿があらわになっていた。どんなエロい女なのかと鼻息を荒げていた二人の目に、その姿がばっちり映る。
でっかいタコであった。
ここでまた詳細に述べれば、最終エピソードまでにもう少し深掘りしようと思っていた、惑星オクトパより地球に飛来したタコ型宇宙人のその第一世代であった。
「「――タコじゃねぇか!!!!!」」
二人は激怒した。必ず、かの
乙姫の触腕が伸び、二人の乳首をまさぐった。
「「あふんっ!」」
二人はそれだけで果てる。しかし乙姫の愛撫は止まらず、そのまま永遠とも思える時間を弄られ、イかされ続けた。
*
気が付けば、浦島は浜辺に全裸で倒れていた。その傍らには、小さな玉手箱が置かれている。何が入っているのかとその玉手箱を開けば、一枚の紙切れ。
――――――――
請求書 浦島メタ太郎 様
¥1,919,000,000,000,000
上記の通り徴収させていただきました
――――――――
裏をめくれば、そこに汚い手書きの文字が綴られる。
『アニキ! ごっつぁんでした! 亀より』
亀の正体は、竜宮城のキャッチであった。
かくして浦島は、金も、子種も搾り取られてしまったのでした。ちゃんちゃん。
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