第55話決闘
ムーアとの今日は決戦の日である。
「今日はこのような場を設けていただいてありがとうございます」
「いえ。あのような申し出に答えることは当然です」
「審判はうちの執事にやらせます」
「それで大丈夫です」
「では私からルールの説明をさせていただきたいと思います。3本勝負になります。致命傷を与える位置での寸止め状態になれば決着です。今日はこちらが提供する木剣で行うということで武器破壊は仕切り直しにいたします。身体強化などの支援的魔法は問題ないですが相手を攻撃するような魔法は禁止です。」
「「わかりました」」
「行動不能に追い込むようなことは禁止です。怪我を負った場合は治癒魔法を施します。これは試合ごとに行うので次の試合のために関節を攻撃しようとする行為は無意味です」
「「わかりました」」
「では別室で30分の準備を行ってください」
「「わかりました」」
どんくらいやるやつなんだろ
どうせ勝てるだろうし戦いがいのある奴ならいいけど。
でも弱いのに仕掛けてこないよな。
なんか不正する可能性もあるかと思ったけど大丈夫そうだしな。
「それでは両者そろいましたので一戦目を始めさせていただきたいと思います。両者準備はいいですか?」
「大丈夫です」
「こっちも大丈夫です」
「それではユリア嬢の婚約をかけた決闘を始めます。両者礼!」
「「お願いします」」
向こうからくるまで待つとするか、
きた!
スピードはまぁまぁだな。
上段から一撃、素直な剣筋だ。重さもまぁまぁそれなりだな。この年でこれなら優秀な方か。
実力で勝てると思っている口だな。
なるほど。ムーア様のすーぴどと力についてこれている。彼もそれなりにできる方ですね。
ふむ。少しフェイントを入れ始めたな。スピードも少しずつ上がっている。
くそ。ついてこられる。まさか身体強化を使う羽目になるとは。
致し方ない。
お、魔力反応、身体強化かな?緩急には一応気を付けないとな。
「はぁぁぁ」
カンッ
なに!防がれた!
それなら剣に風魔法を付与して威力をさらに上げてやる!
良い身体強化だ。洗練されている
ほう器用だな、風魔法の付与かこれは剣が壊れてしまうな。
土魔法で剣を強化するか。
「せい!」
ガキン!
「なに!?」
風魔法付与の剣を受け止めた!?
「ありえない」
「その剣は何か特殊なのか?」
「いえ、普通だと思いますが?」
「なら今のを受け止められるはずがない」
「あぁそれは土魔法で強化しました」
「そういうことか。」
「続きをやりましょう」
「だめだ。」
「何故です?」
「身体強化を使えないから使わないと思っていたがそんなことないんだろ?」
「使えますけど」
「勝負は見えている。しかし、その代わり本気を出してくれないか?」
「本気ですか。」
「私では不十分か?」
「いや、何と言うか」
見せたほうが早いかな。
シュッ
「消えた!」
「後ろです」
「なに!」
「なるほど。レベルが違いすぎて意味がないということか。」
「そうですね。まだぜんぜんほんきじゃないので。」
「!?世界は広いな。勝負は終わりだ。今日は来てくれてありがとう。それと敬語は必要ないだろう」
「いえいえ。そうですか。ならまたどこかで」
「あぁ」
「こんなことがあるんだな」
「さようでございますね。わたくしも目で追うことすらかないませんでした」
「お互いに。鍛錬が足りないようだ」
「そうでございますね」
「おかえりー、もう終わったの?」
「あぁいいやつだったよ。」
「なにそれ、決闘してきた人の感想じゃないと思うけど。まぁ無事に終わってよかったよ」
「そーだな。明日も忙しくなるだろうし今日はゆっくりしよう」
「だねー」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます