第36話結局

2か月後

ゲストハーハトについた


「ここか。やっと着いたな。」


「そうだね。」


「けっこうならんでるな。」


「そうだね~。それなりに大きいし場所的に人通りが多いからね~。」


「そうだな。じゃあ並ぶか。」




「次、通行書を。」


「わかりました。」


「よし通れ。」


「はい。」


「普通に通れたね。」


「そうだな。」


「ここの町では泊まらないんだよね?」


「あぁ。そのために朝早くにつくようにしたしな。」


「ほんとよく考えてるよ。」



「さっきからたまに見かけるんだけど、あの獣人たちは奴隷みたいな見た目だよな」


「多分奴隷だと思いますよ。」


「ん?この国じゃ禁止になっているだろ?」


「そうなんだけど...この国にも奴隷政治を行っていた時代があって、人が全員奴隷制度反対と心から思っているかは今も言い切れない状態になっているんだよ。」


「しかし、全員ではないんだろう?今の時代が禁止だということは、少なくとも国王様も禁止派だということだ。それならすぐに伝わりそうなものだが...」


「国王様に直接話を聞いてもらえる人はいないだよ。つまり国王様の前に話を聞く人の中に奴隷をよしとする人がいるということなの。さらにその人は、もちろん地位が高いので報告した人には罰が与えられるっていうこと。」


なるほどそいうことか。穏便に済まそうと思ったけどこれはあまりよくないかな。

「変えないといけないな。」


「いや、。聞いてたの?無理だよ。強さだけじゃどうにもならないし...それに隠れている立場なんだし。」


「それはやりようだろ。そうだけど見過ごせない。それじゃ今から神殿にあいさつに行こうか。」


「えぇ~。それはもちろん私もよくないことだとは思うけどさ、今までの歴史の流れからくる考え方はすぐに変えられないんだよ。」


「まぁ確かに難しいかもしれない。実際初めは奴隷となる経緯としていいことではないにしても、ある程度の事情があったのかもしれない。でも、奴隷になる心配がない国に入って奴隷にされるというのは、考えて行動しても意味がない、努力をしても意味がないことになってしまう。」


「確かにそうだね。」


「人、いやすべての生物は生まれながらにして平等でないのかもしれない。病気があったり、歴史の流れで何もしていないのに迫害されたりと。しかしそれを受け止め自分が望む生活を手にするために考え努力することによってぬけだすことができる可能性はあるだろう。

それを上に立っている者の気分や、価値観で無にするということはあってはならない。」


「...」


「もちろん変えられるかわからないけど、変えようとしなければ絶対に変わらない。」


「...わかった!私全力で手伝う!」


「あぁよろしく頼む。」


「うん!」

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