第5話神様のミス

今は馬車の中にいる。王都に向かっているのだ。どこかでスライムでも倒してステータスを上げたいものだ。

暇なのでこれまでで分かったことについて整理してみよう。


私は平民の家庭に生まれると思っていたが貴族らしい。

貴族は国王を始めとし、公爵、辺境伯、子爵、男爵、騎士爵がある

騎士爵は一代限りものである。

そしてなぜか私は辺境伯の息子だということだ。(兄がいるので爵位を継ぐことはできない)だから私のステータスは重要になってくるのだろう。


私は、グリース王国のケルンに住んでいる。父がここの辺境伯だからである。隣国のオラディオ王国とベンギラム帝国から国を守っているらしい。しかし最近は戦争が起きるような状態ではないという。


12歳になると王都のベルリンの学校に通うことになる5年間だ。

この世界の成人は15歳らしいので在学中に成人を迎えるようだ。


馬車が止まった。すでに半日移動しているので休憩のようだ。少し仕掛けてみよう。


「お父様。少し頼みがあるのですが。」

正式な場では敬語を使わないとだめなので普段の話し方にならないようすでに敬語で話をしている。


「どうした。」


「私は家を継ぐことができないのでいろいろなものを知りたいと思っています。ですので経験として弱くていいので魔物というものを見て倒してみたいのです。」


「なるほどよく考えているんだな」


「ウフフ。関心ね」


「しかし儀式も終わっていない5歳には難しいと思うぞ。」


「お父様が弱らせてからでもいいです。それに護衛の方もいるので。だめですか?」


「んー。マヒ状態でもいいなら許可しよう。」


「それでもいいです!ありがとうございます!」


「麻痺を使えるものは悪いがホーンラビットを連れてきてもらえるか!」


「私が行きます!少々お待ちください。」


「悪いな。頼んだぞ。」


「ルイスは冒険者になりたいのかい?」


「まだわかりませんが冒険者になっていろいろ経験するのも楽しいかと思いまして。」


「僕にそんなかしこまった言葉を使う必要はないよ。兄弟じゃないか。それにしてもルイスはよく考えているんだね。昔から賢かったからね。結局本もすぐ自分で読めるようになったしね。僕の文館になってほしいくらいだよ。(笑)」


「ありがとう兄さん。もちろん兄さんの手助けはするつもりだよ!」


「それは安心だ。(笑)」


「もってきました!」

 

「ありがとう。」


「ルイス。これがホーンラビットだ。」


「そんなに大きくないんですね。」


「そーだな。どもこの角にさされる可能性もあるから気を付けるんだぞ。5歳の誕生日の時に渡した短剣で首元を切るんだ。」


「わかりました。」


グサッ


レベルが上がりました!


「うわっ。」


「血が出て驚いたのか?」


「いえ、大丈夫です。すみません。」

なんだ今の声。急でびっくりした。

こんなウサギ1匹でレベルが上がると思わなかった。


ステータス


名前 ヴォルス=ド=ルイス 5歳

辺境伯爵家次男

人族 レベル5 0/150


体力 190/190

力  175

魔力 15260/15260



魔法適正

火、水、風、土、闇


スキル

アイテムボックス、鑑定、剣術(7)、体術(7)、魔法創造(10)、詠唱無効、必要経験値1/3、経験値10倍


個性

動物から好かれやすい


ちょ!いっきに5も!?あっ必要経験値1/3と経験値10倍のせいだ。

神様少し強くって言ってたけど...そー言えば転生する前叫んでたような。もしかして間違えたのかな。

うん。魔力15260っていうのは練習の成果が出てるみたいだな。これはありがたい。ただレベルが上がりにくくなったら反映されるのが長引くということだよな。数字が変わるまではすぐ魔力なくなって疲れたし表示されるまで自分の力にならないだろうし。気を付けよう。


「そうかそれならいいんだが」


「はい。心配かけてすみません」

あ、儀式どうしよう。

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