第1話「星宮家のルーティン」

-俺は義姉が嫌いだ、いや、好きではない-








俺、星宮陽ほしみや ようはごく普通の男子高校生だ。成績も中堅で、友達もいる。いたって「普通」の人間だ。図書委員もして…


おっと、自己紹介はここまでにしよう。最初の文を思い出して、ここからの物語を読んで欲しい。


















…4月某日、始業式の日。

スマホのアラーム音とともに目が覚めた俺は、起きてすぐに学校に行く支度をしていた。

そうしたら、急に自室のドアが開く。




「おっはよ〜ぉ、陽君!今日も元気か〜ぁ!?」



朝からテンションがおかしい女性が勝手に入ってくる。

そう、この人が俺の「義姉」であり、俺が1番嫌いな人である 星宮夢月ほしみや ゆづき だ。


夢月は大学生で、歳は俺の2つ上だ。

もともと、俺に姉なんていなかったが、俺が小2の時に夢月の両親が離婚してから、何故かうちに引き取られてきた。だから、俺は夢月を

「おねーちゃん」と呼んでいる。



「ったく、朝からうるさいぞ。酒でも飲んだのか?

おねーちゃん」



「いやぁ、昨日はずーっとアニメを見てましてぇ、

陽君も誘おうと思ったんだけどなぁ〜」



「いや、俺最近忙しいし、なんせ課題もいっぱいあるからおねーちゃんに構う時間がないんだよ」



「もーぉっ、陽君、そんなこと言ってるけど、ほんとは私とアニメ見たかったんじゃないの?」



「べっ…別にちげーし!俺はっ…課題が沢山あったからおねーちゃんとアニメ見れなかったんだよっ!」



「ふふっ、陽君はかわいいねぇ♡」

常日頃、いつでもどこでもずっとからかってくるおねーちゃん。

だから、俺はおねーちゃんが嫌いだ。


この歳になって、熱烈にアタックしてくる義姉がこの世の何処にいるだろうか。



「ていうか、おねーちゃん、朝ごはんは?」



「もーできてるよっ、はやく食べようよ」



「了解」



「陽君、そんなんじゃ、友達にきらわれるぞー?」



「そんなことねえよっ!」



そして、朝ごはんを食べにリビングに行く。

これが朝のルーティンだ。







…なんだこれ。

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