告白の返事
「好きです! 付き合ってください!」
ようやく、自分の気持ちを伝えれた。
それだけでもチキンで自分に自信のない僕はとても頑張ったと思う。
彼女に彼氏がいるという話は聞かなかったが、もし彼氏がいたのならどう思うのだろうか。それに彼女はどう思うのか。彼女の顔を見たいが怖くて見れない。
そんなことを考えている僕はチキン過ぎるだろうか。
そんな自問自答をしていた時、
「……そっか。御子神くんは私のことが好きなのか……」
その声につられて、彼女の顔を見た。
彼女は目に涙を浮かべながら、笑っていた。
「そっか、そっか。ふふっ。うん、嬉しいな」
えっ……
「それって?」
「でも、ごめん。御子神くんのことは、仲のいい異性ぐらいとしか見てない」
自分には、それが良いのか悪いのか、分からなかった。
「でも、御子神くんが私に初めて告白してきた相手になるね」
うん? アレ?
「今まで噂流れて無かったっけ⁈ 誰々に告白されたとか?」
「……ああ、それは告白の手伝いしていた時の噂だね。 誰かに見られたんだと思う。勘違いされて噂になっちゃったみたい」
そっか〜
自分はまんまと騙されていたみたいだ
「今回のことは忘れてくれて良いよ」
「そう」
彼女は僕に背を向けて歩道橋の階段を降りて行こうと……
「まあ、私に未練?、があるのなら」
彼女は突然振り返って言った
「私をもっと惚れさせてみてね」
そう言って彼女は階段を降りて行った。
後に残されたのは、呆然と突っ立ったままの僕と、階段に響く足音だった。
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