第7話 カウンセリング
ハローワークのカウンセリングの日。
少し早めに到着。
なんとか体調を誤魔化しながら、カウンセラーとの予約時間を待つ。
現れた女性は、私よりも少しだけお姉さんの様に思う。
私は、人を認識するのに、オーラのような気のようなモノで判断してしまう。
彼女は、薄い水色のような人。
そのカウンセラーの方は、林さんと名乗った。
真面目そうな方。
林さんの目に、私は、どう映っているのかな?
15年間、ここでカウンセラーをされているとのことだが、医師から解離性障害と診断された人間に会うのは、初めてらしい。
怪物に見えないといいな。
最初に私から、確認させてもらう。
「公の仕事に携わる人には、守秘義務が必ずあると思うのですが、これから私が話す内容は、誰にも知られることはありませんか?」
林さんから
「いっさい、ありません。ここに勤めて居る人にも、誰一人として、知られることはありません。
安心して、お話しください。」
いままでの経緯や関わった医師のこと、私の家族のことなどを話す。
林さんは、とても聴き上手なようで、私も調子に乗って話をしてしまう。
今まで、誰にも話した事がない事まで、ペラペラと話してしまうが、なんだか、信用できる人だと感じたからだと思う。
あっという間に、1時間のカウンセリングが終了した。
次のカウンセリングの日は、林さんに思うところがあるのか、すぐにやってきた。
単純な世間話のような会話をしながらも、私自身、一日も早い社会復帰の手助けを、林さんはしてくれているのだと感じていた。
そんな会話の中で、解離性障害の専門医がいるとの話をされた。
同時に、病院のホームページのコピーを渡された。
林さん自身が尊敬する先生に、私のことを相談したらしい。もちろん、私を特定されない形ではあるが。その先生からの情報のようだった。
その時点では、近くの精神科に通院中であるので、このままでも構わないのにと思う気持ちの方が強かった。
ましてや、その医師は、東京で開業医をされているようだった。東京まで行くことに抵抗もあった。
私が余り乗り気でない様子を感じたのか、林さんからは、無理強いする発言はなく、もう少し詳しく調べてからとのことだった。
次のカウンセリングの予約を10日後にし、帰宅した。
林さんから頂いたコピー用紙が気になる。
林さんは、私の為に、自身の時間を割いて、調べてくれたのだ。
それに対して、私の歯牙にも掛けない態度はなんなのか?
少しだけ、ググってみる。
確かに、解離性障害を扱っている専門医のようである。しかし、個人病院で、扱えるものなのかという気持ちも拭えない。
数冊の著書があるようだった。
一応、目を通してみないと。
判断するのはそれからだ。
翌々日に、最初の本が届く。
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