杉浦ヒナタ様
私は平家物語をきちんと読んだことが無いのですが、忠度さんがとても魅力的ですね。闊達なイメージで、戦の負けをとても冷静に受け止めつつも、最期まで雅の心を失わずに貫いていて、本当にカッコ良かったです。
葉桜さんも素敵な女性で、二人の恋が切ないです。
最後は泣きそうになりました。
素敵な物語をありがとうございました。
編集済
はじめまして。拝読するのがすっかり遅くなってしまい申し訳ありません。このたびは「漢詩や和歌、俳句を下敷きにした小説 募集」の自主企画へのご参加、ありがとうございました!
あああ、素敵な作品を拝読出来て嬉しい……! というのが、読後一番初めに頭の中で浮かんだ言葉でした。言葉じゃないですね叫びですね(笑)。
浅学なもので、元とされた能楽や平家物語のお話も知らず、平 忠度という武将もこのお話で初めて知りました。ですが、それでも十分この物語を堪能できたのは、作者さまがところどころで入れて下さった説明がとても分かりやすく、また同じくらい、主人公の忠度や舞台である平安時代末期の描写が素晴らしかったからかなと思っております。この世界観に初めて触れる私のような者でもぐっと物語に引き込む筆致。本当に素敵でした。
また、物語の最後の締め方が本当に美しくて素敵で……! それまでに積み重ねてきた桜に関するエピソード、葉桜とのやり取り、全てが物語の最後に結実し――そして死に際の彼をそっと彩る、桜のような白い雪。まるで映画のワンシーンを見ているかのようでした。
そして物語を最後まで読み終わった後、もう一度作品タイトルやキャッチコピーを拝読すると、更にぐっときてしまいました。このタイトルはそういう意味かと。
長々と取り留めないコメントを失礼いたしました。素晴らしい作品を拝読出来て嬉しかったです。重ね重ねになりますが、自主企画へのご参加、ありがとうございました!
作者からの返信
嬉しいコメントをいただき、ありがとうございました。
これは、とにかく平忠度が好き、という気持ちだけで書きました。(笑)
短い話でしたので、原作の平家物語の雰囲気が伝わらないのでは、とも思いましたが、分かりやすいと言ってもらえて本当に良かったです。
☆まで、ありがとうございました。
吉川英治の新平家物語では、わりと遅めの登場をして(清盛自身もそういえばこの子いたなぁという感じだったような)、いかにも武人という感じで活躍した人、というのが私の平忠度に対する印象です。
和歌も愛する武将だったとは、知らなかったです。
全体的に、平氏政権末期のあの無常感、やるせなさが漂っていて、良い作品だと思います。
敢えて申せば男女の情愛面の描写が、より一層、死や滅びとの対比が際立たせる感じで良かったです(私には書けないなぁ……そもそも女の人、尼さんしか書いたこと無いし)。
ラストが特に――切ない作品でした。
作者からの返信
うれしいコメント、ありがとうございます。
平家物語の中でこの平忠度が大好きなので、コメディ抜きで書きたいと以前から思ってました。
前後編あわせた4エピソードで春夏秋冬を描きたかったので、ラストの一の谷の合戦が行われた日も調べずに書いたんですが、幸い旧暦の2月だったようで、史実としてもそう大きな齟齬はなかったかな、と思います。
脱帽です。めったに思わないのですが、本当に脱帽です。
作者からの返信
☆までいただいて、ありがとうございました。
薩摩守忠度は平家物語で一番好きな登場人物なので、ずっと書きたいと思ってました。気に入っていただけて嬉しいです。
平家物語の忠度の都落ちは何とか知っていて、能の演目は内容を知っているだけで見たことはない程度でした。
杉浦さんのこのお話で、葉桜の存在を介して忠度の人間としての魅力が深く印象に残りました。行き暮れて木の下蔭を宿とせば花や今宵の主ならましの歌が、深く心に染み入りました。これまでは死を前にして風雅な武者だなぁ、と思っていたのですが、その心情を覗き見えた気がします。
私の中で、能の演目で旅の僧に声を掛けた老人が、葉桜にとって代わりました。
作者からの返信
歌人としての忠度は、後世に自分の作品をひとつでも残したいと願う点で、わたしみたいなモノを書く(まあ趣味で、ですけど)人間にはすごく心情を理解できる気がします。
たしか、作家の林望さんだったと思いますが「忠度が右腕を切り落とされたというのは、もう歌を書くことが出来なくなったということだ」という文章が頭に残っていて、最後の場面に繋がりました。
自分が齢をとるにつれ、どんどん好きになっていく武将です。
ヒナさん
ぐぐぐ…。
ええいっ、普段はなかなか誰にも差し上げない★★★をくれてやるうう!
持ってけっ!!!
…はっ、つい逆上してしまいました。
とにかく、お見事な話でした。
もっとゆっくり読みたい気がします。
ボリュームを四倍くらいしてもらって…(笑)。
あ、このコメントそのままレビューに使いまわしますからね。
とにかくえろ作家・水ぎわ、完敗いたしました。
作者からの返信
おおう! これはありがとうございます。
でも、どうやらこれで杉浦ヒナタ、今年のシリアス成分を使い切った模様です。
ということで、また明日からはユルユル路線に戻る事になると思います。(笑)
(平家物語は好きなので、また何か書きたいと思っています。そのときは読んでやって下さい)
末摘花とは、真逆の世界観ですね(笑)
こちらの諸行無常の世界観も大好きです。
でも、杉浦さん。末摘花連載中で、これ執筆しちゃうって切り替えがすごいし、速筆すぎる。うらやましい、遅筆のわたしには……
作者からの返信
この小説は、澄田こころさんの「葉桜の君へ~千本桜」に触発されて書いたものです。
桜が舞い散る光景を自分も、と思ったのですが、どうやらわたしは、まともな高校生を書くのが苦手なのに気付きまして。(笑)
それで歴史小説という格好にしてみました。
では引き続き、末摘花のほうもよろしくお願いします。
編集済
皆さん、忠度公と葉桜の愛情に感じられたようですが、自分は和歌を通じた俊成公とのやりとりも心に残りました。
血まみれになった忠度を、公卿の俊成はどう感じていたか…、師弟のやりとり…、そして歌を通じてどのような交流をしていたのか…。和の心は美しいですね、漢学まみれの自分が言うのも変ですが…。
追記:まあ、そんな話(幽霊譚)があったのですか、知らんかった。
それにしてもよくご存知ですね、凄いなぁ。
作者からの返信
こんな時代でなければ、忠度の歌は作者の名前と共に、後世まで残っていたでしょう。
それを思うと、自分の歌を当時の政権に忖度して?「よみ人知らず」とされた忠度の心中はどうだったんでしょうか。
恨んだのか、それとも歌が残ったことを喜んだのか…。
実際、能楽の「忠度」では、それを恨んで化けて出てますけど、でも、そんな男ではなかったような気もするんですけどね。