第79話 神という存在
「神は、元人間さ」
「え?」
僕は、人生の中でトップ10に入るくらいに驚いた気がする。だってそうだろ。
神は元人間なんて言われたら、驚くに決まってる。
「ど、どういうことですか?」
「この世界は、最初は残酷な世界だったんだ。すべてが勝手に決まるんだ。生き方を。死に方を。友達を。恋する人を。職業を。スキルを」
「自分で決められないんですか?」
「あぁ。それをしていたのが、前の神だ。どうしてこんなやつが神なんかになれるんだって思うだろ?そう思った今の神……そのころは人間だったんだけどその元人間はそう思って地球というダンジョンを攻略してその神のもとへ会いに行った」
「会いに行った……」
「あぁ、でも攻略したからそのダンジョンは消えてモンスターの存在しない星になったんだけどね。でも、異世界人によって再びこの時代は訪れた。」
そういえば、悪魔がいたところで悪魔を倒したら大穴が消えたとか言っていたな。攻略するとそのダンジョンは消えるらしい。
「それで、神は聞いたんだ。どうしてすべて決められないといけないんだ。お前なんかがどうして神になれたんだ……って。そしたら、こう返ってきた」
「『そりゃあ、神も職業だからな。職業の選択肢にあったから選んだだけだ。』……って」
職業?
神が……職業?
神でさえも職業なのか?
「その職業のおかげで星を1つ操ることができるようになったらしい。それが、この星だ。そして、元人間は苛ついてしまった。だから、神相手に立ち向かった。そして、勝った」
「か、勝った……?」
「あぁ、だって元人間の職業は神でもあるけど、もう何個かあってその1つがシステムクリエイターだったんだ。」
「ん?なんかあなたの職業に似ていますね」
「それはそうだよ。僕は、今の神の職業を参考にして作ったんだから。それで何だけど、そのシステムクリエイターはシステムを作ることができる。そして、今の神はこんなシステムを作ったんだ。『スキルメイク…職業強奪』こんなスキルを作ったんだ。そして、今の神は元神に向かって使った。だから今、今の神は神という職業を持っている。ちなみにその人は、敵じゃないから安心して。まぁ、味方でもないけど。神は本来、中立の立場にいるべき存在だから」
「……なるほど」
味方ではないのはちょっと微妙なところだけど、敵ではないとわかって安心した。それなら、ユニークジョブを持つ者を安心して集められる。
「まぁ、すごい長く脱線しちゃってたね。それで、聖女なんだけど今支援活動をしていて困っている人のところへ行って助けてあげるというとこまでは言ったよね。それで、ここが大事なんだけどその聖女には仲間がいるんだ。聖女のためにっていう人ね。でも、連れてくるのは聖女だけだ。正直、異世界人と戦うとなると言いにくいんだけど……かなり足手まといになってしまう」
「……そうですよね。でも、難しいですよ、そんなこと。それに、僕たちからしたら世界を救うためなんですけど、聖女さんからみたら勝手なことじゃないですか。勝手についてきてと言われているだけじゃないですか。説明しても、信じてくれるのか、それは疑問に思うところです」
「うん、そうだよ。だからそれをなんとかしてきてくれ」
「あっ……そう、ですか」
解決策は教えてくれないんだ……。せめて、なにかヒントでも教えてほしかったよ。全部1人……じゃなかった。楓さんとナビゲーターがいる。だから、3人で頑張ればなんとかなるかも。
「じゃあ、向かうのは明日だから、準備して。あっ、でも僕は行かない……というか、行けないからね」
「あっ、はい。分かりました。明日ですね。……って、明日!?」
「そうだよ」
……人使いが荒いな。僕のことなめてるよね? まぁ、確かにこの人よりは弱いけどさぁ……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます