第11話 一方的な再会をした日
3日目
昨日のモンスター討伐祭のおかげで、あの後もモンスターを討伐し続けて、なんとかレベルが8にまで上がった。
1から2に上がったときと比べると上がり方が遅いので、多分レベルが上がるたびに必要な経験値が多くなっているんだろう。
「……ふぅ」
そして、今はいつも通り窓からモンスターだったり、あと、たまにここから見える人の姿を気配遮断を使いながら見たりしている。
僕は、襲われている人を見たときに、次は後悔したくなくて、生活魔法で助けることにした。なので、生活魔法はぎりぎりまで使用しないようにしている。
そのおかげで、僕が見ているときに限りではあるが、その時のここらへんの死亡率は0パーセントだろう。
「ん……? 今日も誰か人が来たのか。それも、1……2…………6人ほどだな。いつもより多……ん? あの人たちがきている服、あれは……。」
《君と同じ高校の制服ですね。そして、ひとりだけ違う服なのは、おそらく先生でしょう。》
「生きていたんだ。良かったぁ! ちょっと確認。《望遠》。先生は……あっ、僕たちの担任の佐藤先生じゃないか」
《へぇ……。担任ですか。じゃあ、生徒もあなたと同級生の可能性が高そうですね。》
「あぁ、ナビゲーターの言う通り、同級生だったよ。えーっと、先生の横にいるのが桐谷蓮くん。で、加藤くん。村田くん。林さん。斎藤さん。で、最後は清水琴葉さんだよ」
《へぇ……。まぁ、なにかの役に立つかは分かりませんが、とりあえず記録しておきます。一応君の同級生なんですし。》
「ありがとう。あと、ついでに言うと何だけど、桐谷くんと、清水さんは、1年生の中で結構なくらい大きな権力のようなものを持っているよ。まぁ、まとめ役みたいな」
《つまり簡単に言うと、クラスの人気者っていうことですね。》
「そういうこと。で、それよりあの人たちは今は、何をしているんだろうか。」
《多分、食料集めでしょうね。あの6人で全てだとは考えにくいですし、それに多分学校に避難している人だったりとかみんなが集まっているでしょうから、食料が必要なのでしょう。》
「なるほど。それなら、家族に会いに行くよりも先に、かんたんな学校に行くのを優先してみようかな。……あっ。モンスターと遭遇している」
《助けますか……?》
「危険な状態になるまでは待ってみようかな。僕のことを知られたくないし、それにあの6人の力もできれば知っておきたいし」
助けたい。その気持ちはあるけど、でも自分が生きるためには……。
《そうですね。》
どれくらい強いのだろうか。職業を選ぶときに、その職業は人生に関係しているって言うし……。
先生含む、学校の人たち6人に対し、敵の方はゴブリンが6匹らしい。でも、遠すぎてよく分かりにくいな。
《スキル熟練度が一定に達しました。》
《スキル 望遠のレベルが2に上がりました。》
おぉ……。ナイスタイミング。
それにしても、なにか言っている声とか聞こえたらな。そうすれば、スキル名を言う必要があるスキルのときとかわかるし。
《スキル熟練度が一定に達しました。》
《スキル 聞き耳が獲得可能になりました。》
えぇ……。ナイスすぎるタイミング……。
もしかして、神様とか誰かがどこかで見ていたりするのかな?
「じゃあ、聞き耳を獲得してくれ」
《はーい。》
《スキルポイントを1ポイント使用して、スキル 聞き耳を獲得しました。》
「よしっ、じゃあ《望遠》《聞き耳》」
おっ、ちゃんと見えてるし、ちゃんと聞こえてる。これを犯罪者とかに獲得されたらやばそうだな。傍聴されたりしないよう、気をつけなければ。
まぁ、とりあえず今の状況を確認してみますか。
「じゃあ、この6体のゴブリンは私が相手しておくから」
清水さんが、他の5人に向かってそう声を上げている。
「すまない」
「ありがとう、そうさせてもらう」
そして、その5人はその意見に賛成して、コンビニの中に入っていった。清水さんなだけあって、よほど信頼されているらしい。
ふむふむ……。つまり、清水さんがあの6匹のゴブリンを相手するってことですか。
……え!? それなら、この人のスキルくらいしか見られないっていうことだよね。ちょっと、悲しい……。
それにしても、そんな自信があるってことはすごいスキルなのかな?
「はっ!」
「ギェェェエエエ!」
えーっと……普通に剣術? でも、剣の使い方っていうのかな? それが上手だな。そういえば、なにかの剣道の大会が優勝したとかなんとか。
……おそらくそれだな。つまり、今判断しちゃうのは早いけれど、清水さんは、剣士とかを選んだのかな?
「《縮地》」
「ギェェェエエエ!」
そして、さほど時間をかけずにあっという間に6匹のゴブリンを討伐した。
よしっ。これは少し得っていうかなんていうかはよく分からないんだけど、清水さんの技の1つが分かった。
縮地っていうスキルのことだ。それは、多分なにか一瞬でゴブリンの後ろに回っていたから、そんなふうのスキルなんだろう。
その後は、ちょうど先生や僕の同級生たちがコンビニから戻ってきたようで、みんなが大きな袋を2つずつ持っていた。
「ふむ……」
さすが清水さんといったところだ。あんな芸当、僕には出来そうもない。やっぱり、引きこもりの力……というか、僕の力はまだまだだな。
「僕も、強くなれるように頑張ってみるかな。じゃあ、スキルポイントとジョブポイントで、またまた強化をしますかね」
そして、3回目の強化を始めた。
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