ブラック校則〜発生〜
ゴールデンウィーク明け、志門達生徒は体育館に集められた。
「急病で休まれた、長篠先生の代わりに今日から体育を担当してくださる、朱嶺あかみね 恵理子えりこ先生だ。君達、先生に迷惑をかけない様にね。それから・・・」
この後念仏の様な長い話があった。
「長かったなぁ校長の話」
「全く俺のみにに蛸が出来るとこだったぜ。」
「それを言うなら耳に胼胝でしょ。」
雷電の間違ったことわざを時雨が訂正する。
「まあでも、朱嶺先生いい人っぽそうだったよな。」
「そうだな、あの先生が居ればもっと学校楽しくなりそうだな。」
しかし志門達の期待は大きく裏切られることになった。
数日後
「そういえば、最近指名手配犯が謎の突然死する事件が起きてるって知ってるか」
「朝のニュースでもやってたわね」
「おかしな死に方ばかりらしいな、まさか…」
二人が話しながら登校していると、校門の前で雷電と朱嶺が揉めているのに気がついた。
「貴方、そんな言い訳してないでその髪をちゃんと黒に戻しなさい」
「いや、だからこれは自毛だって言ってるじゃ無いですか。」
「何言ってるの。そんな嘘通じないわ、もし本当だとしても黒に染めてきなさい。」
「そういうなら先生だって茶髪じゃないですか。」
「これは教師だから良いのよ。口答えしないの! 」
その日の給食中志門達は雷電と話していた。
「さっきは大丈夫だったか雷電」
「ああ、一応な。でも、酷かったぜ。」
「ええ、そうね。私もあの後言われたわ。これ自毛なのに」
時雨は紫の美しい髪を触りながら言った。
「今宵は勘違いされても仕方ないだろ。」
「でも、なんとかしないとな。」
と相談してると、朱嶺が来た。
「そこの貴方、なんでほうれん草のピーナッツ和えの皿が無いの!」
「アレルギーなので。」
「そんなのどうせ、好き嫌いでしょ。」
「いや、だから聞いてるんですか。雷電君がアレルギーって言ってるじゃないですか。」
朱嶺の発言に時雨が言う。
「何言ってるの?食べちゃえば良いのよ、美味しいんだから。」
「だから、何言ってるんですか。アレルギーだって言ってるじゃ無いですか。」
「だって美味しいのに何言ってるのかしら。そもそも、そんな言い返している暇があるなら、早く食べてその金髪を染めてきなさい!」
そう言うと朱嶺は立ち去っていった。
給食の時間が終わり昼休み、後輩の樹村が志門達の教室に来ていた。
「俺、やっぱり髪染めた方が良いのかな。」
「そんなわけないだろ。あんなやつの言うこと聞く必要なんてないぞ。
お前を殺そうとしたんだから」
「何があったんですか。黒城先輩。」
樹村に事情を話す。
「じゃあ、水占先輩に話してみたらどうですか?」
「水占先輩?空手部の?」
「はい、水占先輩って顔広いですから、相談したら問題の解決手伝ってくれるかもしれませんよ。」
「そうだな」
「じゃあ、放課後相談に行きましょう。」
「樹村のクラスに行けばいいのか?」
「いえ、大丈夫です。ここに来ますので、先輩も一緒に格技場行きましょう」
「そうか、確か樹村は水占先輩と同じ空手部だもんな」
「そうです。それに空手部に行けば十文字先生もいるじゃないですか」
「確かに十文字先生ならなんとかしてくれるかもしれない。」
放課後、志門達は格技場を訪ねていた。
「水占先輩、いますか?」
「樹村、待ってたゾ。おっ、後ろにいるのは…」
水占が樹村の後ろの志門達に気がついた。
「「「黒城(今宵)(鳴神)です。」」」
「あっ?なんて言ったんだゾ」
時雨は声が重なったこと、に焦りつつ言い直した。
「すいませんでした。改めまして、今宵と黒城と鳴神です」
「いや、大将で良いゾ。先輩とか呼ばれるのはなんか嫌だからな。」
「「「わかりました、大将」」」
「そうそう、それで良いゾ。それでなんで今日来たんだゾ?部活見学にでも、来たのか?」
志門達は朱嶺との出来事を話した。
「そうかそんな事があったんだゾ。」
水占は嫌そうな顔しながら言った。
「ええ、そうなんです。」
「じゃあ、十文字先生に相談して見ると良いゾ。」
水占と樹村と別れ、志門達は十文字に職員室に会いに行く途中に廊下で会った。
「十文字先生!」
「お前たち、どうしたんだ。」
「先生、相談に乗ってください。」
「ここでいいか、それともカウンセラー室行くか?」
「カウンセラー室で」
その後、カウンセラー室に行き、朱嶺のことを相談した。
「そうか、朱嶺先生か。ならこれを思って行け」
四角い何かを渡しながら言った。
「これは、なんですか?」
「ボイスレコーダーだ。他の先生にも話したんだが、証拠はあるかと言われてしまってな。本当は、駄目なんだが信じてくれない以上仕方ないだろ」
十文字はウインクしながら言った。
「ありがとうございます」
「おう、気をつけて帰れよ。最近、物騒な事件が多いからな」
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