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目次
きらきら隠す翳り地
おかあさんが、まってなさいっていうから
まってるの
まってるよ
すなのなかの
きらきらをかぞえて
ぼくのかげが
すなのなかのきらきらを
かくしちゃうから
かぞえるのにうごいたりしないよ
ちゃんとまってるの
ちゃんとまってるよ
あ
かげがきらきらをかくした
おかあさん！
かおをあげたのに
おかあさんいなかった
おそらのとおくで
ちいさなとりが
たいようをかくしてた
まだまってるよ
まだまってるの
また
きらきらがまた
みえなくなった
いそいでかおをあげたけど
ちいさなとりふねが
ずっとまってるの
ずっとまってるよ
じぃっと
きらきらをかぞえながら
きらきらがみんなみんな
いなくなった
おかあさんはこんなにおおきくないよ
おかあさんはこんなにおおきくないの
いったいだれだろう
おそらをみあげたら
おおきなおおきなくもが
たいようをのみこんでたの
たいようをのみこんでたよ
すなも
きも
たてものも
どうろも
ぼくのかげも
みんなくものかげに
かくれてる
あ、おかあさん！
ぼく、ちゃんとまってたの！
みんなおかあさんのまねして
かくしちゃったよ！
へぇ
それって
かげりつち
っていうんだね
未言 言未
翳り地（かげりつち）
雨雲が空に張られて、普段よりも辺りを暗く感じる景色。
地面一体が物蔭に入ってしまったかのよう。
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