ある日の美術部

サンドリオン

第1話 少女たちの会話

ある日の美術部


ある日の夕暮れ。


愛衣「そっちは描き終わった?」

由美「もうちょっとで終わると思う」

多映「おー!さすが美術部。絵がうまいね」

愛衣「じゃあ書き終わるまで待ってるわ」

由美「それ逆に急かしてない?」

多映「言えてるw」

愛衣「そんなんじゃないって。なんだったら私が今日出てる課題始めようか?」

由美「やめてよwそんなことしたら私が待つことになるじゃないの」

愛衣「ひどい言い方」

由美「そういうことは私の課題を写さなくなってから言いなさいよ」

多映「愛衣はいつも由美の課題写してるもんね」

愛衣「うるさいな。絵は私がする。勉強は由美がする。テキザイテキショーってやつだろ」

由美「それを言うなら適材適所、でしょ?」

多映「あはは、早速愛衣が勉強できないのがバレてるよ」

愛衣「う…まぁそう言う言い方もあるな」

由美「この言い方しかないわよ」

愛衣「…ほ、ほら!もう絵はできたのか?今日は特別に手伝うぞ」

多映「誤魔化した!」

由美「ちょうど終わったわ。手伝ってもらうのは今度してもらおうかしら?」

愛衣「う…りょ、了解」

多映「由美にうまく使われちゃったね」

由美「片付けるからもうちょっと待ってて」

愛衣「はいよ。……あ、そうだ!学校を徘徊する幽霊の話って知ってるか?」

多映「なにそれ気になる!」

由美「ちょっと!私が苦手なの知ってて言ってるでしょ」

愛衣「まーまー、そう言わずに聞いてくれよ。この学校に昔通ってた生徒の話なんだが、そいつは学校がとても好きなやつだったんだ」

由美「もう…勝手に話し始めないでよ。…それにしても学校が好きなんて変わった子だね」

多映「そうかなぁ?私は結構この学校好きだけど」

愛衣「まぁたしかに学校が好きってのは変わってるよな。で、その生徒なんだけど、ある日交通事故に遭って亡くなったんだ」

由美「…唐突だね」

愛衣「ま、噂話なんてこんなもんだろ。で、その生徒は亡くなっても学校のことが忘れられずに学校を徘徊してるって話だ」

由美「もしかしてその学校って…」

愛衣「もちろんこの学校!今も私たちの後ろにいたりしてな」

由美「ちょっとやめてよ!私そういうの苦手なのよ!」

愛衣「ははっ!冗談だって!」

バサッ!

愛衣「!」由美「!?」

多映「あ!ごめん…ちょっと暑かったから窓開けてたんだ」

愛衣「なんだよ…カーテンがなびいただけかよ」

由美「びっくりした…」

多映「えへへ…ごめんね」

由美「とりあえず帰る準備も終わったし帰ろうか」

愛衣「ああそうだな」

多映「じゃあまた明日ね!」

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