外へ出てけよ

稲吉急便

ここから出てけ

可哀想だと言われていた

誰かに恋することも

夕日を背にして帰ることも

全部一人でできてしまうなんて

気にしてどうする

僕は繰り返し外に出る


後ろに目がついてるわけじゃねぇから

ときには足がもつれて

カーテンに隠れたあなたが助けてくんなきゃ

あと3の倍数回くらい転んじまう

別に練習してたわけじゃねぇよ

転ぶのにかけては

天才ものだぜ


言葉を交わした二人

川の水を吸い上げる朝日

さざめく木陰

馬鹿でなければ気づいてしまう

君のおかしな笑みに


傷ついた心に

物差しを当てるナイーブな奴とは

友達にはなれないな

慣れればなんとかなるか

俺は優しくなってやるよ


歌い続けて声かすれて

どんどん可愛くなくなる

君は風に当たるのを

嫌がって

僕はどうしたらいいのか


青い空は五つの頃から

背が縮んだくらいだ

綺麗になってくあんたはみんなを

怖がらせる

あんたは部屋の中に戻っていく

そこには何もないんだぜ

いつだってそこにある

優しさは開封されなけりゃ

行き止まりなんだろうが


あんたはそれだけで消えるのか

君はそれだけでいなくなるのか

君は知っているか

あんたは知っているか

自動販売機を恐れた

小さな子供を

うるさいトランペットの音がして

誰かがおまえをわらいやがった

気障りな台詞にしか見えない

すべての言葉

あの中で可愛く生きよう


内側には乾いた涙しかない

笑い顔はいつだって外に見せるだろう

疲れはてた世界は夕暮れを休むか

ちげえだろ

一番悲しい人は誰ですか


ああ、そうか

泣いていたのはあんただったんか

ごめんな俺が馬鹿でなければ
















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