リスと少年

なるこ葉

第1話

リスと少年


初めて見たとき、小人さんかと思ったの。

小さくて足が早くて、なんだかわからなかった。

必死に追いかけるときのみをかかえて食べていたんだ!すっごく可愛くて、ぼくは撫でたり抱きしめたくなった。

でも、りすはすぐ逃げてっちゃった。

それから、姿を見るたびに追いかけた。

いつも逃げちゃって、一回も触ることすらできてない。

どんな触り心地なんだろ。ふわふわかな?ゴワゴワかな?

ある日、ぽちゃっとしたりすがいて、ぼくは夢中になった。今までで一番可愛い!

ぼくは追いかけた。いつもなら諦めるところも追いかけた。

追いかけ続けていたら、いつのまにかリスが見えなくなった。

あたりはまっくら。ここはどこ?

ぼくは急に不安になって、しゃがみこんだ。

帰り道もわからない。リスもいなくなった。

こわい、こわいよ、、、

ぼくが涙を拭いていると、目の前にきのみがあった。

あのぽちゃってるりすだ。

りすが走るたびにきのみが落ちる。

もしかして、、ぼくはきのみにそって歩きだした。気がつくと、もうおうちの前だった。

ぽちゃっとしたりすはぼくの前に現れて、首を傾げてまた逃げていった。

ありがと。また明日ね。

ぼくはリスに手を振って、お家の中に入った。

あれ以来、ぽちゃったリスはぼくのおともだち。

ぼくが出かける時は心配そうについてきてくれるんだ。

でも一度だって触らせてくれない。どうやら、リスは触られるのが嫌いみたい。

今日もぼくはリスの触り心地を想像するんだ。

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リスと少年 なるこ葉 @mandr

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