幸せって

家に帰るとフランスが出迎えてくれた。


「オカえり、どうだった?」


「today’s public holiday ...」(今日は祝日..)


「wow I’m sorry to hear that 」(うわお、それは残念だ)


「I’m sorry ?なんで?」


なんで謝られたんだ?素朴な疑問が生まれた


「はなしをキいてsorryなfeelingなったら言えるよ」


「あー、残念っていうかなんていうか気持ちが

しゅんってなったときか!」


「そんなガンジー」


「そんなガンジーは知らんけどありがとう」


「え?」


「いや、なんでもない..」


ボケてるつもりのない人のボケほど困るものはない


でもこうやってわからないことを教えてもらえるものほど良いものはない


家に香ばしい香りがかおり陶器がカチャカチャと鳴る


食器がテーブルに並べられる音だ


「anyway it’s time to dinner 」(とりあえず、夜ご飯の時間だ)



その音が聞こえてフランスがそう言って「yes!」と僕も答えダイニングへ向かった。


今日も作って頂いたご飯に感謝していただきますをした


するとフランスとフランスママも昨日と同じように一緒に手を合わせてくれた


昨日と違ってフランスの妹と弟も手を合わせてくれて


何故か心が暖かくなった


そして温かいシャワーに入ってドライヤーを使って髪を乾かせる生活


僕は、今、幸せを、感じてる。


本当は幸せは僕のすぐそばにいた


僕がただその場から目を逸らしていただけで


ずっと近くにいてくれていた。


こんな幸せが続くなら、ブランドものとかの高いものとか、毎日の外食とかいらないなって


20歳になる前にこの幸せに気づけてよかった僕だった


夕食が終わりホラー映画好きのフランスの趣味で


ホラー映画を一緒に見始めることに


僕は怖いのが大の苦手


怖いのに怖いの見るとか


嫌いなのに嫌いなご飯を食べる並みに


意味がわからない行為だと思っている。


もしかしたら考え方が変わるかも...


と思って見始めて数十分


やはり考え方は変わらない


ギャーー!!!!


と画面の中女性の高い叫び声が部屋に響く


自分の肩になにかを感じる


その変な肩の違和感に体がビクッとした


「ね、アしたナにす...」


ギャァー!!!なに!!


テレビのスピーカが振動して聞こえてくる声ではなく


耳の鼓膜を揺らした音で叫び声をあげてしまった


「え..どうシたの?」


フランスに質問され僕は口走りながら言う


「肩に変な違和感があって耳元で変なこと言われて..」


いや


待てよ


今、フランスと話して気づいたぞ


肩の変な違和感の正体はフランスの右手だ


だって、今もまだ僕の方に触れている


そして、耳の鼓膜を揺らしたのはフランスの変なアクセントの日本語


この事実にどっと疲れた


「ほんとうに、こわいのダメナンだ」


フランスは何故、僕が叫んだのか気づいたらしい


映画を見る前にホラーは苦手だとフランスに伝えていたけど


僕の怖がり方は予想を超えたみたいで


「ごめんね」と謝ってきた


「いいよ、でも映画を見るのはやめよう。」と言った


この提案に「ダイジョウだよい」と言って僕らは鑑賞をやめた


もうホラー映画を一緒に見ることはないだろう。


むしろそうであって...


「そいや、さっきばなにを聞きたかったの?」


肩を軽く叩いて話しかけてきたフランス


何か言いたいことがあったのだろう


「アしたはナにするの?」


「ん、あした?明日こそリベンジするよ、必ずトライアルしてもらう!」


「シゴト見つかるいいね。がんバれ」


仕事見つかるといいね?と言いたかった?


いやシゴト見つかると言ってくれた


フランスの予言だと僕は明日、仕事を見つけられるらしい


「ありがとうがんバる」とフランスに言った


そういえばフランスのルックスは僕と同じくらい


学生?でも学校には行ってないよな


そんな細かいことはほっといて疲れた僕は、僕らは部屋の電気を消した

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