わかからの提案

わかはすぐに電話に出た。


「電話出るの早すぎ、久々だね」


「仕事辞めたからな、おう、久々」


わかはかつて「働くのめんどくさい」と言ってたけど、働くメリットを見つけたはずだ。


なのに辞めた?


前に聞いたメリットを理由に辞めた訳を聞く。


「え、ホームレスするよりお金稼げるって言ってなかった?」


「まぁ、色々あるんだよ。それよりどうした?」


知っての通りわかは教会行って、炊き出しもらってホームレスをしてたやつで


本当に色々あるんだろうし、落ち着いたら、ゆっくり話を聞こうと思った。


とりあえず今聞きたいことは...


「わかの友達に会いにオークランド来たんだけど、家どこにあるか聞くの忘れてて教えて欲しい」


「そいや教えてなかったな、俺もしらねぇ。どこにあるんだ?」


「待って、なんで知らないの、ここまで来てどうすればいいの?」


1年前のあの日、メールを受けた日から、わかと話していると驚いてばっかりだ。


とりあえず今回の問題はどうしよう。


「連絡先渡すわ。直接やりとりしてや。」


問題はすぐ解決した


「天才だ。その発想は天才だが1つ問題あるぜ?」


問題はすぐ解決したが別の問題がすぐ生まれた


「なに?」


...「僕の英語はまだポンコツだぜ」...


これは大きな問題


直接会って話すときなら


ボディランゲージや話の前後から話してることから、2.3割は理解できるけど


メールとなると英語の単語が読めない。


例えば、薔薇という漢字は読めるけど


薔薇を漢字で書いてみて


と言われると難しい人が多いと思う。そんな感覚だ。


それじゃ電話は?


と言われると、電話は声だけで、今なにを話してるか理解しなきゃいけないのに


マイクを通して聞く音は、声帯から直接聞こえてくる声よりも聞こえづらい


色々考慮して、連絡先を貰っても難しいとわかに言った


「ん、大丈夫、彼日本語少し話せるから」


「なんやねん!!それ1番最初に言ってよ!」


フランスはジョナサンのように日本語を話せる人で、大問題も大解決できる人だった。


「お、おう、悪いな、。とりあえず連絡先送るから連絡先取ってみて」


「わかったよ。ありがとう待ってる」と最後に言ってわかとの電話を切った


連絡先はすぐに送られた


名前にFrance(フランス)と書いてあってアカウントのアイコンにはあの黄色いネズミ


まじで日本好きやん


外国人が日本の文化を好きって、なんか嬉しい僕


日本より何千kmも離れた地でも愛してもらえるものを創っている日本人を誇り高く思った


これから家に住ませてもらうのに出身地も顔も知らない。


知ってるのはフランスって名前と赤いほっぺたのネズミ好きってのだけ


フランスって名前だからやっぱりフランス人なのかな


いろんな考察をしながらメッセージを送った。


僕はハンバーガーを食べ終え、残すはポテトだけ


まだ喉にハンバーガーが詰まっている感覚がしていて


この嫌な感覚を流し込むために、空になった夢の容器を右手にドリンクバーへ


実はバーガークイーンのドリンクバーはunlimited(飲み放題)らしく


次は違う炭酸のボタンを押してまだ喉に突っかかってたハンバーガーを流し込んだ。


携帯の電話が鳴り画面を見てみると


さっき追加した彼からの、フランスからの電話


僕は電話に出た

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