いざ新天地へ。

お風呂から出てご飯を作り、そのご飯を食べながら

明日向かう新天地への行き方を調べていた。


もちろん、使うのはgoggle(ゴーグル)マップ。


goggle(ゴーグル)さんの可能性を未だ諦めていない。


今は、putaruru(プタルル)という場所にいてWairakei(ワイラケイ)で乗り換えて

目的地 te puke(テプーケ)に着くらしい。


行き方が分かったので後は荷造りをするだけだけど


僕が持ってきた荷物はキャリーケースと手荷物のカバン


機内持ち込みできる範囲の荷物しか持ってきていない


荷造りといってもすぐ終わるから

明日することは、歯を磨いて、朝ごはん食べるくらいでゆっくりしてられる。


僕はここ数週間を振り返る。


人の感覚とは不思議なもので、物事の終わりには全てがいいものだったと思えてくる。


ヤンキーに絡まれたのも、警察署で飲んだ甘いコーヒーも全て


この廃墟にさえも、住ませてくれてありがとうと

感謝の気持ちと少し寂しい気持ちも生まれた。


思い出をあと少しだけ増やしたいけど、親方から僕に話かける気はないだろうし


仕方ない。僕から親方に話かけに行こう


僕は親方の部屋の扉をノックした


「親方、本当にお世話になりました。

明日の朝が本当の最後なんですけど

フライングお別れの挨拶しに来ました。」


「おう、おつかれ。家の鍵は家の前の安全靴の中に入れといてな」


「親方もフライングお仕事行った後にして欲しいこと言うんですね」


僕らは笑ってやりとりをする、親方のノリ良かった。


昼間、話せる日本語は お う よ の3文字だけだと

思ってたのに「いつのまにか成長していた。」


「え、なんていった?」


「え、僕、なんて言ってました?」


「いつのまにか成長していたって」


やばい、心の声が漏れていた


「こんな険しい選択、最初は出来なかっただろうなって、それでいつの間にか成長したなって」


「そうか、自分で選んだ道や、がんばりなれ。」


男が別れ際ネチネチするのはカッコ悪いし

変な心の声を他に漏らさぬようにおやすみを言おう


なんて本音が文章に漏れる。


「ありがとうございます。

それじゃ親方、明日もファイトっす。

また朝会いましょう、おやすみなさい」


「おう、おやすみ」


部屋に戻って横になってから部屋の電気を消した。

廃墟にも「おやすみなさい」と言って目を閉じた。


...


昨日は久々にアラームをかけなかったので、朝の光だけで起きた。


心地の良い起き方だ。


親方にも心地よく現場に向かえるように、行ってらっしゃいを言おうと親方を探す。


どこにも親方がいない。部屋かな?と思 ったが部屋にもいない。


とりあえず、歯を磨きながら携帯をいじる。


点灯した画面の時間は10時、いつも起きていた時間は8時


親方はもう現場に向かっていたのだった


昨日のフライングお仕事行った後して欲しいことが

まさかのまさか役に立った。


てか、親方起こしてよ。 いや、ちゃんと自分起きてよ。


とりあえず歯を磨き、朝ごはんではなくブランチを食べてから、忘れ物がないかの最終チェックをする


忘れ物はなんもなく、ここに住んだ思い出もしっかり全部持った。


後は家とバイバイするだけ


親方に言われた通り、家の鍵は安全靴を家の前に置いて、靴の中に入れといた。


最後に「行ってきます」と「今までお世話になりました。」を廃墟に言って、バス停まで歩きはじめた。


親方に最後のあいさつを出来なかったが、こんな別れ方も悪くないだろう


この見慣れた景色が思い出に変わるのを寂しく感じ


1歩、1歩、踏みしめて歩いた。


僕は定刻より少し早めにバス停に着いたけど

バスは定刻より少し遅れて来た。


遅れたバスの扉が開いて運転手が何故か降りてくる

何故か運転手が首を傾げる。そして尋ねる


Do you have ticket?(チケットはあるか?)


Do you have の言い回しは完璧に覚えた

こんなの19歳で覚えれる簡単な文だぜ?


もちろんまだ持ってなく、チケットはこれから買うので「no」と言った


Which bus stop do you want to go?

(どこのバス停行きたい?)


一回では聞き取れず2回言ってもらった

また do you 言った?それに want to に go


とりあえず、どこ行きたい?って事でしょ?

最初のバス停はWairakei(ワイラケイ)


「Wairakei(ワイラケイ)」と言いそこまでの、1つ目のチケットを買い新天地を目指す。


チケットを無事買えた。


英語ってこんなちょろいのか、なんて調子に乗る僕


しかし、これがまた新しいハプニングの種だった。


今の僕はこの事をまだ知らず英語に答えられてウキウキ状態で、まだ見ぬ地、新天地へ向かうのだった。

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