初めての仕事

仕事をするから指示が必要である


よって親方から話しかけてきて僕らの無の均衡は解かれた


仕事の内容を説明してもらい内容も未経験だったから簡単なものを割り振ってもらった。

床や壁を汚したり傷つけたりしないようにする保護する養生だったり

壁をはがしてペンキを塗ったりなど意外と楽しかった。


家の中身はなんか簡易的で日本の建物よりも足腰が弱い気がした。この理由は台風がないから?って僕は推測をした。


いろんな発見をしながら仕事を進めてたら気づいたらお昼休憩の時間がきていた。


少し出かけてた親方は飲み物を買ってきてたらしく、袋を下げていて僕に


「ほら、好きなの飲みなれ」


袋の中には三種類の炭酸飲料があるがどれも見たことがない海外の銘柄


一際目立つ黄色いのが僕の視線を奪う


「黄色いの頂いてもいいですか?一番おいしそうでこいつも自分に選んで欲しそうな気がしてます」


「おうよ」


「あざまする」


カチィ.!


プシュ..!!


ゴクゴクゴク...!!!


「うん!普通だ!! よく知ってる味だ!!!

海外だからって特別おいしいなんて訳じゃないんですね?」


「そりゃ、そうじゃ。 食べ物あるじゃろ?

日本でたべる中国料理とかは日本人の人向けに味をかえてるから

本場とちょっと違う。日本人にとっておいしくなってるんじゃ。」


知らなかった。普通にためになること教えてもらって年上ってすごいなと尊敬させてもらった。


「それなら本場のフランス料理も実は日本人にとってはおいしくないんですかね?」


「え、しらん」


知ってた。  


普通に年上ってこんなもんなんだなってことを再確認した。


それに親方が訛り出してたのも知ってた。


午後からの作業も楽しく、終わり初めての仕事が終わり親方の車に乗り込む


ずっと気になってた質問


「なんで無料で住めるんですかー?」


それをいよいよ聞いた。


「今住んでる家を次リフォームするからじゃよ。持ち主がかつて住んでたから電気も通っとる。」


「なるほど!それで無料で住めるのか!」


「ん?」


あれ、、待てよ。質問が2つ生まれた


1つは、今住んでる家は言い方変えたらやっぱり廃墟ではないか..?


壁が黒ずんでる廃墟に住んでる...


とりあえず、働く、ちゃんと働くからもう1人、肉体を持って戸籍が生きている人を雇おう。


もう1つのは、電気代光熱費の支払いはどうしてる?


僕はもう半分大人だ。大人の事情も半分はわかるのでこれは迷宮入りさせることにした。


「どうした?」


「いや、夜ご飯何作ろうかなーって親方何食べます?」


なんて話を逸らし...


「カップラーメン」


「えっ」


予想外の答えに僕はまた、話を逸らしたくなってしまった。


外の色がオレンジ色に近づいてきて仕事の終わりの時間が来た


今日1日中働いていたのは結局働僕ら2人ぼっちで

親方に「他に働いてる人はいないの?」と聞いたたら「わしらだけじゃ」と言う


え...流石に納期大丈夫かと心配するが


「相手は日本人じゃないから遅れるのが当たり前じゃ。」


なんて親方は笑って言った。

だから僕も笑うことにした。


親方と二人ぼっちの仕事だったが、仕事は楽しみで家に帰るなんて現実を見たくない

でも時間は刻々と進み、親方が車を廃墟までの道を走っている


この現実には笑うことは出来なかった

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