4-12
――高地からロイド男爵軍を見下ろすアルザス軍
ロイド男爵軍の総勢は一万。やはりアルザス軍を圧倒している。
先の戦いでは視界が開けていない中で奇襲だったので、敵の軍勢の大きさを認識しないまま勝利したが、今回は違う。
こうして一望すると、自分たちが獅子の前に差し出された餌のように思えてきたのである。
これまでも多数の相手を敵にして勝ってきたが、今回は初めて正面からぶつかることになるのだ。
アルザス人たちが恐怖感を抱く中、キバだけは平然としていた。
「やはり敵は攻撃してきませんね」
アルバートが言う。
「敵にも最低限の知能があると言うことです。戦では兵力を集中させた方が圧倒的に強いですから、味方が到着するのを待つのは必然です」
「――まだ”作戦”は決行しませんね」
アルバートはキバに尋ねる。
と、キバは彼方の空を見てから答えた。
「ええ。まだです」
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