178話 知らないの?

 読者の皆様へ:更新が夜遅くで申し訳ないです!!



 ★☆★☆


 手始めに、俺は紫色の魔人から狙う事にした。隙だらけだったからな。


「死ね」


 様子見でまずは殺気を込めて腹を殴る。。格下相手には必要無いと感じたからだ。


 全力では無かったため、ギリギリ持ちこたえるのだろうと思っていたのだが・・・・


「ブヘエェッ!?」


 力を込めすぎたのか、思わず腹を貫いてしまった。


 信じられないといった表情を浮かべながら、紫色の魔人は血反吐を大量にまき散らし、膝から崩れて絶命する。


「...す....凄い....」


「「嘘だろ!?」」


 その光景を目の当たりにし、後ずさる2人。だったがー


「次はお前らだ」


 もちろん逃がす気は全くない。


「お、俺達が悪kー」


「見逃してkー」


 パアァン


 俺は2人の頭部を互いに叩きつけた。


 思いっ切りやったせいか、2人の頭部が粉砕し、風船のように破裂する。おかげで服が血で汚れてしまうが・・・・


 まぁスッキリしたし、良しとしよう!


 俺は気にしない事にした。


 戦闘もとい一方的な虐殺を済ませると、俺はキラキラとした眼差しで少女に出迎えられた。


「凄い凄ーい!お兄さん強いんだね!!」


 てっきり怯えて逃げ出すかと思ったのだが、思っていた反応とは違うようだった。


 俺が居なかった300年後の地球では、命の価値観までもが変わってしまったのだろうか?


「痛ッ!?」


 興奮して怪我を忘れていたのか、すぐに蹲り動けなくなる。


「そう言えば怪我してたんだった....」


「じっとしてろ」


「え!?【神聖魔法】も使えるの!?」


 俺は少女に近づき、怪我を魔法で治す事にしたのだった。




 ★☆★☆


 森の出口へと向かっている中、俺は少女に話しかけられた。


「私の名前はユーナ。ユーナ・スティグマだよ。怪我直してくれてありがとね!えっとー?」


「俺はシンジだ」


「よろしくね!」


 ユーナから屈託のない笑顔を向けられる。


「お兄さんは戦闘に特化したを持っているんだね!何かな?やっぱり【怪力】とか【俊足】持ってるの??魔法も使えてたよね?凄い!!」


 ん?スキル?


 もしかして異能や能力の事を今はそう呼んでいるのだろうか?


 取り合えず、俺は話を合わせる事にした。


「まぁな」


「私はね、【薬草学】と【調合】のスキルを持ってるんだ。戦闘は向いてないけど、サポートは得意なんだよ?」


「偉いな」


「えへへ!」


「でも、戦闘系のスキルを持ってたらなー。もっとみんなの役に立てたのに」


 照れくさそうに笑う中、ユーナがうっすらと残念がっている様に見えた。


 もしかして、生産系の自分を無力に感じているのだろうか?


「ところで今は何処に向かっているんだ?」


「ん?『最後の砦ラストフォート』だけど?」


 質問をすると、『まるで知らないの?』とでも言いたげな表情で、俺はユーナに見つめられるのだった。

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