152話 卒業式

 読者様へ:パソコンを修理に出していたので、暫く投稿出来ませんでした。更新遅れて申し訳ないです。


 ★☆★☆


「えー。であるからして.....」


 学校についた後、直ぐに体育館で卒業式が執り行われた。


 クラス順に次々と3年生が体育館へ入った後、1人1人名前を呼ばれて卒業証書を貰った。


 時間がかかったな。まぁ全員だから仕方が無い。


「えー。そのため.....」


 だが、その先が問題だった。


 全国共通とも言うべきか、それは校長先生の話だ。


「えー。卒業生には.....」


 来賓からのお言葉は比較的簡単に終わったモノの、校長の話が長すぎて全員ウンザリしているのだ。


「まだかよ」


「長すぎだろ」


 周りからチラホラとそのような声が聞こえ始める。


 みんな早く終わって欲しそうな顔をしていたその時ー


「えー。ご卒業おめでとう御座います」


 ようやく校長の話が終わったのだった。




 ★☆★☆


「ずっと前から好きでした。付き合て下さい!!」


「はい!喜んで///」


 卒業式が終わった後、告白をし始める者が現れだした。


 まぁ、定番っちゃ定番だな。


 なかなか言い出せない者も、これを機にと最後のチャンスに賭ける。


 告白して見事に承諾を得られる者が現れればー


「好きです。俺と付き合って下さい!」


「ご、ごめんなさい。私には付き合ってる彼が....」


「そ、そんな....」


 告白して見事に玉砕をする者も現れた。


 そして、それは狂歌達も例外ではなくー


「狂歌さん。一目惚れです。付き合って下さい!」


「1年の時から好きでした。冬柴さん付き合って下さい!」


「サラ。付き合ってくれ!」


「エレナさん。ぼぼぼぼ僕と付き合って下さい!」


 諦めきれなかった男たちが次々と告白をし出した。


 今すぐにでも駆けつけ、告白を中止させたかったがこの場から動けない。


 なぜならばー


「シンジ君。私と付き合って下さい!」


「私、遊びで良いから!」


「私も!」


「好きです!」


 俺も同様に、異性に囲まれていたからだ。


 クソッ!密集してて動けない。


 嫉妬心に駆られ、強引にでも振り払おうかと悩んだその時ー


「無理」


「そ、そんな!」


「うち、1年生の時に君からの嫌がらせで普通に無理なんだけど」


「......」


「普通に無理です。あと呼び捨てにしないで貰えますか?キモイです」


「うぐっ」


「君誰だっけ?」


「ぐはっ」


 狂歌達が即答した。拒絶され次々と玉砕していく男性達。


 その光景を見て、嫉妬心で思わず駆られた自分が恥ずかしかった。


 なら、俺もやるべき事は1つだな。


「きゃっ」


 女子達に囲まれているが関係ない。俺は強引に包囲網から抜け出した。


「悪いな。俺にはもうアイツらが居るから」


 そう言って、俺は狂歌達を連れて学校を後にしたのだった。

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