27話 お風呂

 家に帰った後、風呂に入ることにした。


 戦闘で血と汗を流したからだ。


 シャワーを浴びながら今日手に入れた能力を解析する。


【隠密】…相手から視認されにくくなる。


【気配遮断】…漏れ出る気配を遮断する。


【操糸】…魔力で糸を作り出し、操作することが出来る。


【自動魔力回復】…1分間で30%魔力が回復する。


【自動体力回復】…1分間で30%体力が回復する。


「当たりだな。いい能力じゃねーか。」


 いい能力が手に入り、その場でガッツポーズをする。


 早く試してみたいなと思っていると-


 急に浴槽のドアが開いた。


 そこには一枚だけタオルを纏った狂歌がいた。


「あなた。お背中を流させて頂きます。」


「ちょ、おい。まってk-」


 急に入ってきて背中を流すと言い始める狂歌。


 タオル越しからも、凄いと分かる双丘が見える。


 風呂椅子に座っていた俺は、立ち上がり止めようとしたが、できなかった。


 息子が覚醒してしまったからだ。


 そのままズカズカと入ってきて、タオルにボディー用シャンプーをつけて泡立たせる狂歌。


「お、おい。なんて格好してんだ。恥ずかしくないのか?」


 動揺していた俺は赤面し狂歌に尋ねた。


「は、恥ずかしいわよ。」


 赤面し答える狂歌。かわいい。


(いや、恥ずかしいなら、こんなことしなくてもいいのに。)


 俺の心を読んだのか答える狂歌。


「だ、だって。最近あなた全然かまってくれないんだもの。女の子増やすし。私だって寂しいわ。2人きりになる場所すら無いんだもの。」


 少し拗ねたような顔で答える狂歌。


(そうか。そうだったのか。だから最近スキンシップが激しかったのか。)


 最近かまってあげなかったから、自分から行動してくれたのだろう。


「悪い気が利かなくてごめんな。じゃあ背中流してくれお願いだ。」


 そういったあと、顔をパッと明るくさせる狂歌。


 一生懸命背中を拭いてくれる。


「あなた。また傷が増えたわね。」


 そう言って魔物との戦闘で傷を負った部分を触ってくる狂歌。


 少しくすぐったい。


「目立たないように再生させないの?」


 完璧に治せるのに何で直さないんだ?と尋ねる狂歌。


「よく言うだろ?傷は男の勲章だって。まぁそういうことだ。」


「うふふ勲章ね。」


 少しクスっと笑う狂歌。


「ごめんな狂歌。言われるまで全然気付かなくて。寂しい思いをさせて。」


 そう言うと流してもらっている背中に、不意に柔らかい何かが押し付けられる。


 それも2つだ。や、柔らかい。


「お、おい。」


「そうよ。どれだけ寂しかったか分かってるの?少しは私の気持ちを理解してほしいわね。他の女といちゃついて嫉妬しないとでも思ってたの?」


 そう言いながら抱き着き、顔を背中につける狂歌。


「本当に悪い。」


「そ、そう思うのだったら、行動で示してくれるかしら。」


 そう言ってこちらを見つめてくる狂歌。


 若干顔を赤くしていることから期待していることは明白だ。


 俺は後ろを振り向き狂歌を見つめた。こちらを上目遣いで見てくる。


 狂歌のタオルはもうはだけている。俺は自分から狂歌にキスをした。


「んっ。んんん。」


 まさか舌まで入れてくるとは思わなかったのだろう。


 一瞬ビクっとする狂歌だったがすぐに受け入れた。


 絡めあう舌と舌。顔に感じるお互いの吐息。


 キスを終え、唇を離す。


 互いの舌が離れ、唾液の橋がかかる。お互いに見つめあい赤面する。


 そこからだろうか。歯止めが利かなくなったのは。


 お互い理性を失ったように貪りあった。




 ★☆★☆


 それから数十分後俺たちは風呂場からでた。


 互いに服を着替える。


 リビングに戻ると、美香とサラにジト目で見られる。


「お楽しみだったようですね。兄さん。」


「アツいね。2人とも。うちもまぜて欲しかったよ。」


 少し怒ってるサラと茶化してくる美香。


「うふふ。あなた♡あなた♡」


 右腕に抱き着き、幸せそうな顔で見つめてくる狂歌であった。

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