第200話
✱
翌朝、俺は目が目を覚ましたのは九時を過ぎていた。
窓からは太陽の日が差し込み、一階からは笑い声が聞こえてくる。
恐らくみんな起きて朝飯でも食ってるんだろう……俺は昨日寝るのが遅かったから、少し寝坊してしまった。
俺はベッドから起き上がり、一階のリビングに向かう。
「ふあぁ〜あ……おはよう」
「あ、兄貴おはようございます!!」
「おはようございます島並さん!!」
「おう、お前ら朝から元気な」
「はいっす! 山ノ内さんの料理美味いっすよ! 兄貴も早く食べて遊びましょうよ!」
「へぇ……山内さんの飯か……」
あの人も腐ってもメイドってことか、一通りの家事は出来るんだな。
俺はあくびをしながらキッチンに居る山ノ内さんの元に行く。
「おはようございます、島並様。食事は私の方で準備させていただきました」
「ありがとうございます。流石メイドですね」
「はい、ここには一応仕事で来ていますので」
「一応って……まぁでも朝食を作ってくれたのが山ノ内さんで安心しましたよ」
「まぁ、昨日皆さんの調理の腕前を見ていましたから。あのお二人はキッチンには入れておりませんのでご安心ください」
「流石っすね」
俺は山ノ内さんとそんな話をしながら、朝食を受け取りリビングの机に座る。
「ん、平斗か今日は遅いな」
「あぁ、おはようございます茜さん。実は昨日変な時間に起きてしまって」
「確かに昨晩は寝るの早かったもんね」
「真奈美さんもおはようございます」
席に座ると目の前で茜さんと真奈美さんが食事をしていた。
もう皿の上にはほとんど朝食は残っておらず、二人は野菜ジュースを飲みながら話をしていた。
「あれ? 初白と城先さんは?」
「あぁ、瑠華ちゃんはさっさとご飯食べてどこかに言っちゃったわよ、初白ちゃんはまだ寝てるんじゃないかしら?」
まぁ、あいつも昨晩は遅かったしな……。
と言うか、今は初白よりも城崎さんだな、どんな顔して会えば良いんだ?
俺はそんなことを考えながら、山ノ内さんが用意してくれた朝食を食べる。
「ん……おはよ」
「あぁ、光音か。おはよう」
「今日は遅い……」
「あぁ、昨日変な時間に起きちまったからな、お前はもう飯食ったのか?」
「うん……」
「お嬢様は二番目に起きてきて、早めに朝食を済ませております」
「なんだそうなのか? いつもは寝てるのになぁ〜」
「うるさい……」
「いでっ! 悪い悪い、少しからかっただけだろ?」
バイトに行った時は山ノ内さんが起こしに行かないと起きなかったからな。
もしかしたら、みんなで旅行なんてイベントが始めてで浮かれてるのかもしれない。
「そういえば、今日は何をする予定なんですか?」
「せっかくの無人島ですからね、島の中でもご案内しようかと思っておりました」
「あぁ、それは良いですね」
「お昼も私が何かお作りしますのでご安心ください」
「それは安心ですね」
また昨日みたいに食卓にダークマターが並ぶのは避けたいからな……。
それにしてもこの朝食美味いな。
まさかあのグータラしてる山ノ内さんがここまでの料理を作れるなんて……やっぱり腐ってもメイドってことか。
「ふー、美味しかったです。ありがとうございます」
「まぁ仕事ですので、そろそろ初白様にも起きて欲しいのですが……」
「あいつ、いつまで寝てるんだか……茜さん、真奈美さん、悪いんですけど初白を起こしてきてもらえませんか?」
「いいわ」
「よし! お姉さん達に任せなさーい!」
そう言うと二人は二階に上がっていき、初白を起こしに行った。
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