第45話
*
家に帰った私はスマホを見て、イライラしていた。
今だに島並先輩から連絡は帰って来ない。
本当にあの人は何をしているのだろうか、夜の21時になっても先輩からの返信はなく、私はスマホを見てはイライラしていた。
てか、どんだけスマホ見てないのよ!
「・・・・・・はぁ、アホらしい、なんで私が島並先輩の返信を待たなくちゃいけないのよ!」
私はベッドにスマホを放り投げ、そのまま枕に顔を埋める。
今日の話を島並先輩に自慢したい。
しかし、先輩はなぜか全く電話に出ない。
本当にあの人はどうしてしまったのだろうか?
てか、なんで私が島並先輩ごときのためにここまで悩まなくてはいけないのよ!
私が一人でそんなことを思っていると、スマホの通知音が鳴った。
もしかして島並先輩?
私は急いでスマホを手に取り、メッセージを確認する。
メッセージは島並先輩からだった。
【上手くやったみたいだな】
真木先輩から何か聞いたのか、島並先輩からはそうメッセージが返されてきていた。
私は得意げに先輩に連絡を返す。
【当然ですよ! 私を誰だと思っているんですか!】
なぜだろうか、私は先輩からのメッセージが嬉しかった。
島並先輩が私を褒めるなんて珍しいからだろうか。
私は自分の頬が緩んでいるのが、自分でもわかった。
「はぁーこのまま付き合えればいいんだけどなぁ〜」
そうすれば、島並先輩にまたドヤ顔で威張れるんだけどなぁー。
私はそんなことを考えながら、真木先輩の今日の言葉を思い出した。
『中学の時に暴力事件を起こしたんだ・・・・・・』
「・・・・・・・・・本当なのかな?」
あくまで聞いた話は噂の話だが、私は島並先輩がそんなことをする人とは思えなかった。
もちろん、私と先輩知り合ってまだ一ヶ月も経っていない。
だから、先輩のことを少ししかしらない。
もしかしたら噂通りの人なのかもしれないが、私の知ってる島並先輩はそんな人じゃない。
「一体・・・・・・何が本当なんだろ」
真木先輩は恐らく何があったのかを知っているのだろう。
でも、私にその事実を教えなかったってことは、きっと何か言えない事情があるのだろう。
「いつか、教えてくれるのかな?」
私はそんなことを考えながら、そのまま眠りの中に落ちていった。
疲れていたこともあり、いつもよりもかなり早くに眠りについた。
*
翌日、俺は昨晩の食事会の後片付けをしていた。
日曜日は基本的に道場は休みなので、門下生は来ない。
父さんも昨日は飲みすぎたらしく、二日酔いで倒れている。
「よし、こんなもんか」
俺はキレイになった大広間を見て、一人でそうつぶやく。
時間は朝の9時少し前、早く終わって良かったと思いながら、俺は集めたゴミを持って、外に出た。
「ふーこれでよし、さて部屋に戻るか」
俺はゴミを倉庫に置き、自分の部屋に戻った。
今日は一日何もないし、何をしていよう・・・・・・。
海外ドラマの一気見でもしようかな?
そんなことを考えていると、ポケットに入れていたスマホが震え始めた。
「ん? 電話か?」
俺はポケットからスマホを取り出し、電話に出る。
「もしもし? こんな朝からなんだよ」
『あぁ、ごめんごめん、今日は平斗空いてるかと思って』
電話の相手は高弥だった。
「遊びの誘いか? どこ行くんだよ」
『まぁ、ぶらぶら適当にかな?』
「なんだよそれ、まぁ良いか、時間は?」
『一時間後に駅前なんてどうだい?』
「了解、じゃあ準備して行くわ」
『うん、じゃあまた後でね』
高弥はそう言うと直ぐに電話を切った。
まぁ、暇だったし丁度良い、高弥とゲーセンにでも行こう。
俺はそんなことを考えながら、部屋に戻った。
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