奇想小話

@clearance_farm

『猫又と長火鉢』

最近めっきり暖かくなったので、もらった長火鉢を片付けていたら家によく来る猫又がやってきて寂しそうに鳴くので

「もう縁側の方が暖かいですよ。」

と言って片付けた



後になり

「ちょっと悪いことをしたかな?」

と思いつつ床に着いた。



次の日、雨と共に寒風が吹くので震えながら目を覚ました

これではやってられんと、薄くなった服を重ね着し人心地着いた後

ふと、まさかと思い、仕舞っていた長火鉢を取り出すと猫又が何処からともなくやってきてスッと猫板に座った


全く、やれやれと思いながら、撫でてやると

ゴロゴロと嬉しそうに鳴くので怒る気力も失せ慣れた手付きで長火鉢の灰を整え始めた

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