第13話
今日は、晴れ。モンスター騒動から一夜明け
マドウは目を閉じ、ギルドの外にウドを組んで待って居た。
ひそひそとあることない事噂されている
既に、逃げたのではないか?と村内ではマドウの認識が変わり始めていた
マドウは何も言わず、反応を示さない
マドウの元に複数の足跡が聞こえてきた。来たかと目を開けた。
そこには、家に被害があった、村人達。怒りはなさそうだが、何とも言えない感じだ
マドウは村人達を見ると、村人達に近づく
「名前を聞きたい。1人ずつ教えてくれ」
懐からメモを取り出し、1人筒名前を聞いていく。メモをして、全員の名前を聞いた後1人目に名前を聞いた村人を見た。
「では、まず1人目。家まで案内してくれ」
村人達は、全員男。1人目が先頭に立ち家に向って行く。
ここでも、逃げた、逃げたといつの間にかそういう風潮が出来ていた。
歩き続けて、家に着き、見るとドアをが壊れている。
「これだと、風が入ってくるし周りのも丸見えだ。」
「そうだな。他には、、」
村の人と話しながら、被害を確認する。一階建ての古い家が至る所ボロボロ
「なるほど、、いくらだ?」
「え?」
いきなり、聞かれて何を聞いているのか分からないようで聞き返してしまう
「いくらあれば、全部直せるんだ?」
「、、、50万エーテルあれば、、」
「分かった。、、2人目行くぞ」
その返しに、村人達は驚いた。そんなあっさり大金を出すと決定していいのかと
マドウは、メモをしながら次の家に向かおうとする。しかし、村人が来ないので振り返る
「どうした?早く行くぞ。時間は有限だ。」
「ああ、、すまない」
2人目が案内するために、慌てて先頭に立つ。
そこからは、すべて同じやり取り
「いくらだ?」
「えーと、、40万あれば、、」
「いくらだ?」
「、、60万あれば、、」
「いくらだ?」
「300万です」
「お前は、いらないようだな、、」
「ごめんなさい。、、、30万です、、、」
こんな感じで、続々と解決していきマドウの屋敷前。
「すこし、待って居ろ。」
そう言い残すと、屋敷に入って行く。マドウが居なくなると村人達は話し出す
「いつ見ても、この屋敷は凄いな、、」
「しかも、金まで出してくれる。太っ腹だ」
「なあ、結局逃げたのか?あいつは。」
「分からないさ。でも、追及する必要もない。」
マドウが戻ってくると、村人達は区とを閉じた。紙袋を持って、彼は向かっていく
「家を回った順番に来てくれ。金を渡す」
村人達に、紙袋から札束を渡していく。渡し終えるとマドウは、屋敷に戻って行く
「おい!」
村人の一人が大声で呼びかける。村人の方は向かず歩いていた足を止める
「いいのか?本当に、、」
1人が言うと、他の村人も気まずい。大金をせびってもらった形だ
「気にするな。お前たちも大変だろう。早く行け」
背を向けたままのマドウに言われると、全員が一礼して帰って行った。
「よろしいのですか?」
屋敷の門の陰から、リリィが出てきた。
「こうするのが最善だった。一番合理的で、一番波が立たない」
「本当に逃げた、クソ野郎どもに払わせれば良かったのでは?」
僅かに嫌悪感を表情に出し、ザコル達の名前すら呼ばない
「あいつらは、絶対にしないだろう。そうなれば、冒険者達への不信感が強まってしまう。この村の冒険者と村の人の共存は何より大事だ。」
冒険者達の装備や、道具などは村人達が用意してくれる。逃げる時の煙玉
食事などもそうだ
「、、、、それで、ご主人様の評価が落ちてもですか?お金を実際に払ってしまったら、逃げたと認めたと思う者も出てきます。」
マドウは視線を落とした。リリィの悲しそうな顔から目を背けたくて
「これから、挽回する。一から再び始めるよ、、、、」
「、、、納得いきません。」
「、、、ギルドに行ってくる。留守番は頼んだ」
そこから、逃げるように屋敷を後にした。
ギルド内でも、疑い、疑惑の目ばかり。
「なあ?どう思う?」
「逃げたんじゃね?」
「今まで勝てる相手としか、戦ってこなかったから龍が急に怖くなったんじゃないか?」
「龍には勝てないよな。流石に、、、」
耳にはちらほらと、冒険者たちの声が響いてきた。ギルドの依頼掲示板を見て聞こえないふりをするしかない。
無表情を貫き、依頼を眺める。
そこへ、ギルドのドアが開く音が響いた。
こんどは、賞賛、敬いの声が聞こえる。
「おい、<ドラゴンスレイヤ->だ。」
「ザコル達しっかり取り巻きになってるな。」
2体のドラゴンを討伐。今は時の人<ドラゴンスレイヤ->天道ハクトがザコル達を引き連れて、ギルド内に現れた。
もう、昼過ぎなので依頼を終わらせたようで報告に行く。
「ミナミさん、お願いします。」
「あ、はい。お疲れさまでした。合計で20万エーテルです。」
お金を渡され笑顔で、受け取る。ザコル達もそれぞれ依頼をこなしていたようで、受付でそれぞれ受け取っている
「あっ、マドウさん。こんにちは。」
「ああ、、、」
掲示板で依頼を眺めているマドウを見つけて、ハクトが寄って行く
両者Sランク冒険者。
片方は、今や<ドラゴンスレイヤ->。一瞬で高見に登り、王都やほかの国にも名前が轟いている
片方は、今は、失墜した英雄。王都でも、知っているものなどほとんどいない
「今から、依頼ですか?」
「ああ、、」
村人達へ補填金を上げるため、朝から村内を歩き回っていたのだが知らないようだ
2人が向かい合うことで、冒険者たちは再びこそこそ話が始まる
「もう、アイツの時代は終わったな」
「これからは、新世代か」
「逃げたんだ。仕方ないさ」
その話は、聞こえないように話すつもりがハクトには聞こえていた。もちろんマドウにも
「ちょっと!そんな言い方無いでしょう。!」
ハクトが周りに向かって大声を上げる。冒険者達は目線を逸らす
「もう終わった事でしょう。!いつまで言ってるんですか!ドラゴンは倒されて、モンスターも居ない!」
正義感。悪気はないのだろう
「逃げたかどうかなんて、誰にも分からないんだ。確かに可能性は、あるかもしれないけど憶測で話すのはやめてください!」
その言葉を聞くと、シーンと静まり返った。ザコル達は流石という表情をハクトに向けていた
「流石<ドラゴンスレイヤ->だ。言うことが違う」
「やっぱり、選ばれしものは違うな」
「いやー、そんな、当たり前のことを言ってるだけですよ」
ザコル達が、ハクトを褒め彼も照れ臭そうな表情をしている
「マドウさんもこれからですよ。頑張ってください」
「ああ、、そうだな、、」
笑顔でそう言うった後、良いことをしたをと言う顔をして、帰って行った。
ザコル達もつれて
「うわ~。あれは無いわ。」
「マドウさんも、あんないい方されたら、立場無くなっちゃうよね」
ハランとスイランが、それを見ながら心内を語った。新人Sランク冒険者にあんなことを言われては悪気が無くても、気持ちは良くないだろう
「、、、、」
マドウは黙って、依頼を複数手に取り受付の持って行った。
「頼む、、」
「ええ、分かったわ。」
ツバキは、すぐに承諾の手続きを開始した
「私は、信じてるわ。貴方が逃げてないって、、」
「、、、そうか、、」
マドウはそのまま、その後は話さず、黙って出て行った。
森の中で、モンスターが乗っている荷台を引いていた。モンスターを数匹狩っただけ。
今日は、依頼をすぐに終わらせてすぐにでも帰りたい。それだけを考えていた
「今日は、休めばよかったな、、、」
独りでに呟き、村に帰る道を行く。
今日はやる気が起きず、大した事のない依頼に大分時間がかかった。
「もう夕方。大分時間かかった。」
換金所に向かう。いつも道理ロックが居る
「おう、、来たか」
「ああ、頼む」
ロックも色々聞いてるため、気まずそうだ。荷台の上のモンスターを眺める
「今日は、あんまり狩らなかったんだな。」
「そうだな、、」
他愛もない会話も、何処かたどたどしい感じがする。
「あんまり、報酬は期待するな。大分下がっているからな」
昨日は大分モンスターが買取がされ、買取価格が下がっている
しかし、そんなことは、どうでもよかった。早く帰りたいと思っていた
「分かった。」
マドウは何も言わずすぐにそこから去る。ロックは何もかける言葉が見つからなかった
報酬金を受け取り、足取り重く帰る。
(偶には、違う道で帰るか。)
気分転換になるかもしれないと、普段なら通らない道を通る。
ちょくちょく顔は見られるが、反応には出さない
(そういや、こんな道もあったな、、)
あまり見ない道に、感想を抱きながら景色を楽しむ
そこで、何やら子供たちの声が聞こえてきた
「だーかーらー。天道ハクトの方が凄いんだって。」
角からのぞくと、五人組の子供たちと、昨日マドウの助けた男の子が向かい合っていた
「そんなことない!マドウの方が、」
「<ドラゴンスレイヤ->の方が凄いって!」
「マドウって、龍から逃げたんだろ?」
「そうそう、村に迷惑かけたからって、金払ったらしいぜ」
五人組は笑いながら話す。子供にも筒抜けらしい
「違うよ!逃げてないんだ!村を守るために戻ってきたんだ!」
男の子は必死に叫ぶが、ほかの子達は耳何て貸さない
ニヤニヤと顔を見合わせる
「あっそ。行こうぜ」
「そうだな!」
ほかの子達は、帰って行った。一人残され、俯いたままの男の子
「違うんだ。、、逃げてないんだ、、」
マドウはその子の肩に手を乗せた。子供が見上げてマドウを見た
「マドウ!」
顔を上げるとマドウがいたので、思わず声を上げる
「ありがとう。俺を庇ってくれたんだな。」
肩に手を置きながら、少し微笑む。子供は照れた様子を見せるが、すぐに様子を変えた
「マドウは逃げてなんかいないよね?」
「ああ、、、だが、仕方ない。そう思われるようなことをした」
「村を守ったのに?」
「生きていれば、こういう事もある。覚えておくといい」
子供の目を見ながら、訴えるように告げた。子供は目をさらさず真っすぐ聞いてくれた
「俺は、マドウを信じるよ。」
「そうか、、、」
再び微笑んだ後、何時もの無表情に戻る。そう言えばと子供に聞いた
「お前の母親は大丈夫だったか?」
「うん。大丈夫!」
「そうか、、大切にしろ」
そのまま、止めていた歩みを再開した。子供の頭にポンっと手を乗せて
子供は嬉しそうな声が後ろから聞こえる
「じゃあな~マドウ。!」
後ろに軽く手を挙げて、子供と別れた。
マドウの足取りは先ほどより軽く、そして、顔色も心なしか明るい。そんな感じがする
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