第10話

モンスターの大群が不規則な並びで走っていた。それは、何かから逃げるように

大急ぎで、、


草原を抜け、走る。または、空を飛ぶ。その数2000を超える。


通った場所が、足跡だらけ。地面に足跡がいくつもできる。もしこれが何処か人里にでも、到達すれば被害は尋常では無いものになるだろう


その、群れはとある村に向かっており、、、





冒険者達に朝から招集がかかる。

スタッツ村は、朝からいつも以上の大騒ぎだった。村の住人たちは、子供を非難させ。

非戦闘系の大人と一緒に家に、閉じこもる。あるものは震えている。あるものはもしものために荷物を纏めておく者も少なくない


この状況をどうにかするのが、冒険者の役割であり義務である。

冒険者ギルドには、スタッツ村の冒険者全てが集まっていた。その数、80に届かないくらいか。


ギルド職員が、説明をする。書類を持ってミナミが話すのだが、皆耳を傾けている


「今回の依頼は、、少し特別になります。モンスター全ての討伐を討伐してもらうのですが、報酬金と換金の合計は依頼参加者全員で山分けとなります。」


全員は頷きながら、しっかりと記憶に残す。全員も事の重大さを理解されているので顔が真剣だ。しかし一部は余裕そうだ


「モンスターは、大体2000体近くいるようです。スライム、ゴブリン、オーク、ハウンド、ブラックイーグル、ブラックライオンが主にいる様です。

皆さんのご協力お願いします」


ミナミが頭を下げる。冒険者達は、おおーと、気合を入れる

その後は、武器の準備。や道具の整理。急いで行っている


「Sランクが二人も居るんだから、大丈夫だよな」

「<ドラゴンスレイヤ->の魔法なら楽勝だな」

「俺の出番があるかどうか、」


Sランク冒険者が居るから大丈夫と考え、あまり準備をしない冒険者たちも居る。

こればっかりは仕方ない。今日だけの即席大パーティー。そんな直ぐに統率などは取れるはずがない


「頼むぞ<ドラゴンスレイヤ->」


一人の冒険者の男が、ハクトの背中を叩く。図体のデカい男だ。少し、照れ臭そうに頭をかいていた。彼の格好はの学ランではない。この世界の格好をして、杖を持っている。しかも、腰には剣を装備中だ


「いや、僕にできるかどうか、、」

「大丈夫だ。あのドラゴンを倒したのだからな、、、」


周りの冒険者もハクトを持ち上げる。


「そうそう、」

「ドラゴンに比べたら、大したことなないよ」

「期待してるぜ」


三者三様に褒められ、やる気が上がるハクト。一部が凄い盛り上がる中、状況の為集中力を高める冒険者もたくさんいる


四人組を作り、立ち回りを確認している。


「魔法でお前が、倒して、、、」

「発動中は俺が守ると、、、」


マドウは、リーゼンと一緒におとなしめのグループに居た


「全く、<ドラゴンスレイヤ->に期待しすぎだ。」

「仕方ないさ。今や伝説で王都でも名前が、轟いているらしいからな」


楽観的な冒険者の一部に、うんざりした視線を向けているリーゼン。

妻子持ちの彼は、どうしても彼らは良い印象にならない。

家族を彼は守らないといけない


「お前は、どう立ち回るんだ」

「特には無い。臨機応変に立ち回るつもりだ」


俺tueeの為に強さを見せびらかすのは、今日は休みだ。こういう時は万が一に備え慎重に行動する


「俺もだ。村にモンスターが入らなければ何でもいい。」


リーゼンは背中に大剣を背負っていた。人、一人の大きさ、はあるかなりの大きさ

使うのは慣れないと難しい物だ


「そろそろ、向かおう。まだ時間はあるが早めに行って損はない。」

「そうだな。」


マドウは腰に刀と剣を装備して、モンスターの大群がやってくる方角に向かう。

既に、動き始める者たちも少なくない。

温度差は多少あるが、この村の冒険者たちは協力しなければならない




マドウとリーゼンは草原に立つ。村からある程度離れた場所だ。遠くまで見落とせる幸い今日は、晴れだ。


「2000か、、、行けるか、、?」

「何とも言えない。、、が村だけには入れられないな」

「そうだな。ただ、他の油断してる奴が気になるな。」


未だ、この場にすら来ていない他の冒険者達が何かしないか気になるようだ

もっと危機感を感じてほしいとリーゼンは感じた


「奴らも冒険者だ。それなりには立ち回るだろう」

「そう願うばかりだ。」


ここにいる冒険者は、準備満タン。何時でも行けるように最終調整だ

準備運動。剣のグリップの感触を確かめたりと、、、


「ハハハ、我らが<ドラゴンスレイヤ->なら、やってくれるな!」

「上級魔法でいけますかね?」

「いける。いける。余裕だ」


呑気な連中は、笑いながらこちらへ向かった来る。図体がデカい男とハクトを中心にして、、、、

先ほどから此処にいる者たちは怪訝な顔をする


「もっと、集中しろよ」

「呑気なもんだ」

「報酬が同じだからって、」


周りから、次々と不満の声が上がる。リーゼンも頭を抑える、、、マドウは表情は崩さないが内心あきれていた


「全く最初から、これではな、、」

「、、仕方ないさ」

「魔法をただ放って、攻撃は有効だが2000を相手にこの雰囲気は不味いだろ。報酬金が同じだからこうなるんだよな、、」


貰える金が同じなら、手を抜こうとする輩が出てくるため余りリーゼンは好きではない


「近い、、」


マドウが呟いた。


「、、!」


リーゼンが急いで周りに大声で伝える。


「来たぞ、準備しろ!」


誰も気づいてない中、マドウだけが気付いた。リーゼンも気づかなかったが、マドウが言うならそうだと警告をだす


「おい、来たらしいぞ。」

「陣形を整えろ」


剣を抜き、構える。陣形を組み始める


「<ドラゴンスレイヤ->頼むぜ」

「はい。」

「よし、こいつに道を開けろ」


ハクトを前に出す。マドウと並ぶ。

リーゼンは右に、ハクトは左に置いて、マドウは真っすぐ前を見ていた


皆が準備するが、なかなか来ない。周りも何だと気を抜く者もあらわれた


あれ、来ないのかとハクトが質問する


「あの、来るんですか?」

「あと、一分」


マドウが呟いた。


「え?」


ハクトが意図を組めずに聞き返す形になる


「あと一分ほどで、来る。魔法の準備をしろ。」

「全員魔法使いは前に出ろ!一世に魔法を放つ!」


りーぜんが大声で、魔法使いに指示を出す。それに従うように魔法系の冒険者は前に出る


最初から準備をして、前に出てるものも居る。


しかし、居ない者もいるので号令をかけたのだ。号令をかけるとリーゼンは下がった。

彼は魔法使いではないが、万が一に備えて後ろで待機する


魔法使いが横一列になると、むこうから、何かがやってくる。

それは、群れと言うより、軍隊。

暴走列車のように、一直線のようにこちらに向かってくる。その雰囲気に思わずたじろぐものも居るが


なんとか、こらえて魔法準備をする


「<エアロブラスター>」

「<エアロブラスター>」

「「「「「「「「<エアアロー。。>」」」」」」」

「「「「「「エアーシュート」」」」」」



上級魔法は、マドウとハクトしか使えない。残りは中級魔法<エアアロー>


初級魔法<エアーシュート>

をそれぞれ放つ。エルフ、獣人、人間の冒険者がそおれぞれ放つ。

風の光線が二つ。風の矢。風の塊、が複数。


(え、、まじかよ、、、)


今日は、真剣モードだった。マドウも思わず心の中で突っ込んでしまった。ハクトの風の光線はマドウの物より

数倍は凄かった。

まずは、それによりモンスターをせん滅する。余波で、様々な場所で吹っ飛ぶ個体も居るので、それをそれぞれ排除する。


しかし、すぐには動けなかった。ハクトの凄さが身にしみてわかったのだ。全員


「「「ううおおおおおお、すげええええ」」」


「マドウより、凄くね?」

「あいつの時代、が終わりか、、、」

「これからは、天道ハクトだな。」


皆が天道ハクトが凄いと、これからの時代は彼だと思い始める者がいる。

リーゼンはなかなか動かない彼らを動かすため指示を出す


「なにやってる!それぞれせん滅しろ!」



魔法使いは二つのグループに分かれる

空を飛ぶモンスター、をせん滅するため魔法を使う。グループ


先ほどの風の魔法の集合体である程度の討伐は出来たのだが、

後は、モンスターたちは散り散りになるので、村に向かってくるモンスターをそれぞれ魔法で近づけないようにしながら討伐する。近づきすぎた、魔物は剣士たちの様な近接戦闘の者がが魔法使いを庇いながら討伐する


「<エアロブラスター>」


空にハクトが再び放ち、どんどん討伐する。

しかし、地面、空と討伐は出来ないので、一部は他の魔法いが頑張る。

空のモンスターは通り過ぎて、村の方に僅かな残りが向かう。


「クソ!。魔法使い。村のは行かせるな!」


大剣を振り回し、モンスターを斬りながら魔法使いに指示を出す


「<エアロブラスター>」


ハクトが放つが、当たらない。少数になると大きい風の光線も当たらない。ブラックイーグルが旋回するようにして、魔法を避ける



「くそ、当たらない」


マドウは指先をピストルのようにして、初級魔法<エアロシュート>を放つ。


「<エアロシュート>」


次々と、落とす。使い方の違い。ブラックイーグルは空から墜落する

ただ、放つだけでなく狙いを定める、熟練度の違い。ハクトはまだ使い方を覚えて間もない。

火力は凄いが、応用力、がまだない。ブラックイーグルはマドウが倒したが、一部しかそれを知る者はいない。

それに気づくほど、皆余裕はない


(あとは、地上のモンスターだ。)


走って、守りの薄いところをカバーする。全体を広い視野で把握する


「やああ、死ぬ」


ブラックライオンにより、襲われる冒険者。顔は恐怖に染まった。死を覚悟するが、次の瞬間真っ二つになる


「いったん下がれ、、」


「すまねえ」


そう言うと急いで後ろの下がる。ここは、危なかったが他は大丈夫そうだ。

他は安定して、討伐している。魔法使いと剣士などの、近接格闘が協力して数が大分減っている


「このままなら、行けるな」


「おう、あと少しだ」


数も大分減っている。ハクトはひたすらに上級魔法を放って攻撃。しかし、モンスターは徐々に広く、広がって行き広範囲にいるので、最初ほど一遍に倒すことはできない

 

他のモンスターは、他の冒険者達が攻撃したり、カバーしたりしている。一列に大体広がって境界線の様なものを設ける

それにより、モンスターの侵入を防ぐ


安定した、討伐でもう終わりになると誰もが思ったのだが、マドウが最初に違和感に気づいた。


(何だ?、、)


何処からか視線。誰かが、見ている。。しかし、それだけではない

モンスターの奥から、何かが来ている

2つの違和感。


「何か、来る!気をつけろ!」


普段は声を上げないマドウが、声を上げた。周りの冒険者達も気づき、何だとざわめきが広がる

マドウはモンスターの処理をしながら、視線の方に意識を向けた。

かなり離れた草原。そこに、白衣を着た老人。僅かに目が合った気がした

すると、老人は薄く笑った。


(、、誰だ?)


しかし、今はそれどころではない。何かがこちらに向かってくる。


(今は気にするどころではないよな。)


マドウはモンスターに集中した。

モンスターの奥から、黒い物体がこちらにむかっているように見えた。





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