コラム7
こんなところで一連の日記は終わっている。基本的には、この運命を受け入れたようだ。
それでも、この時点では、ナツを連れて外に出ることができないかもしれないと、本音を吐露している。結果的には、ナツを外に連れ歩くタイミングが、ハルの幼稚園の生活と丸被りだったため、行き先のほとんどが幼稚園だった。僕の苦手だった、固定メンバーのいる場所だったのだけど、少しずつ打ち解けることができ、幼稚園ではナツも、そして僕も可愛がってもらうことができた。この時点では露知らないことだろう。
それに、ナツがダウン症であることは、僕が主夫をしていることに意味を持たせてくれたと思っている。
後にお医者さんに聞かれるのだが、両親のどちらかは家におられますか?と。やはり、療育に足繁く通ったり、特に小さい頃は感染症に弱かったり、体の成長もゆっくりで首が座るのだって相当遅いダウン症の親のどちらかが家にいられるということはとてもラッキーなことだったかもしれない。
妻の言葉にもあったが、たくさんの学業を積んだ末にそれを捨ててしまった僕や、幼稚園入園をやんわりと断られてしまうようなハル、そして、実はそのハルにそっくりな妻という構成メンバーのこの家族に、今さらダウン症モザイク型なんていう異分子が加入しても、まあ別に驚くことでもなく、ああ、そうですか、一緒に楽しく暮らせると良いですね、くらいの感じだったのかもしれない。
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