第七話 大天使との電話会議①

私、神田紫穂は修一くんを柑奈咲さんから全力で守ろうと思います!」


俺は彼女が言った事をしばらく理解出来ずにいたので5秒ほどの沈黙が生まれる。


「えっと、、 神田さんが俺のことを助けてくれるってことであってる?」

俺は戸惑いながら聞き返す。


「うん! バッチグーだよ修一くん」

彼女は今日1番のハイテンションで答えてくれる。こちらにも彼女が笑顔なのが伝わってくる。

その笑顔は俺ごときにはもったいないぐらいだ。平和団体あたりに寄付するのを勧めたい。


 それにしても神田さんがいつもと違う様子なのはなぜなのか単純に気になるので聞いてみる。


「えっと 神田さん?」


「なーにぃー?」


 彼女の返答は犬が心を許した人にする態度のように甘い。

しかし彼女はそのことに気付いていないのか、はたまた気にしていないのか。

彼女は俺が発するのを興奮気味に待っている。どうしちゃったんだ神田さん。


「今日のキャラは何?」


「あっ 私すっかり嬉しくなってしまって、嫌でしたね。すみませんでした」


「いやではないが驚いただけだ。俺はこう見えて賑やかなのは好きだぞ こう見えて」


「あはっは ほんとに修一くんは面白いね。

 それなら続けさせてもらうね なんで最後にもう一回言ったの?」


 素朴な疑問だろうが真面目に答えておく。


「大切なことは二回言う。これはセオリーだろ」


「やぱっり面白い 私の選んだ人だわ」


 神田がボソボソと何か言っていたがよく聞こえない。


「神田 何か言ったか?」


「ふぇっ いやいやなんでもないよー」


「それより私がなんでこんな口調なのか知らなくていいの?」

 なぜか挑戦的な態度で聞いてくる。


「ああ そうだったな、なんでなんだ」


「もうちょっと気になる感じで言ってよー もぉー」


「牛さん答えを教えてくれ」


「ひどいけど面白かったから教えてあげる」

 俺が無言でいると神田は勝手に喋り出した。


「私ね、本当はもとはこんな性格なんだよ」


「俺には、なんで学校でもその性格でいないかが分からないんだが。その方が友達とか出来やすいだろ知らんけど」


「親からの言いつけ。いいや 命令かな」

 今の神田の声には先程のような楽しい感情は乗ってなく、ただただ冷たく無機質なものだった。


「ねぇ 修一くん。」


「なんだ」


「神田グループって会社知ってるかな」


「もちろん 知っているがそこがどうしたんだ」


 言うまでもない、神田グループは柑奈ホールディングスと並ぶ日本二大企業の1つだ。

主に検索エンジンの運営、アプリ提供から不動産、電気製品の製造から幅広く扱う超大企業である。





           「そこうちの会社なんだ」



_______________________________

あとがき


区切りが悪いので次のお話で

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