毒親に洗脳されきった幸せな私

@PV_______nRT

第1話 幼少期の思い出

 普通の人の幼少期の思い出とは、どんなものなのだろうか。私の幼少期の思い出は寂しさと恐怖に支配されているように思える。毎日叱られていた。しかし、きっと私を叱責していた母にはそんなつもりはないのだ。いつも家にいた父も、幼い私のことを召使いとしてしか思っていなかった。

 ある日、母と兄が二人で買い物にでかけた。私はいつも怒らせてしまう母を喜ばせようと、台所の流し台にたまっていた食器を洗おうと洋服の袖を捲くりあげた。きっと喜んでくれるに違いない、褒めてくれるに違いない、早く母が帰ってきてこの光景を目にしてほしいと思いながら冷たい水と戦っていた。しばらくして兄と帰ってきた母は椅子の上に膝立ちをし、食器を洗っている私をみて怒鳴り上げた。私は板の間に張り倒され、這いつくばって畳のリビングへ逃げた。きっと私はいないほうがいいんだと、幼い私は息を殺して泣いた。

 兄と父はテレビゲームが好きだ。私はゲームが得意ではないので、二人がゲームしているところをただみているだけだった。父はタバコを吸いながら、酒を飲みながらゲームをしていた。父はあたしに「氷と焼酎いれてきて」とグラスを差し出す。私はそんな召使いのような扱いに嫌気が差し「いやだ」といった。父は「お父さんの言うことが聞けないのか」と怒鳴った。幼い私は必死に涙を我慢しながら台所へ立った。

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