となりの芝生は青い

そよかぜ

第1話 となりの芝生は青い

私が両手を広げても誰も寄って来てくれない。

誰も私を抱きしめてくれはしない。

それに比べてあの子のところには沢山の人がよってくる。みんなみんなあの子のところへ行きあの子を抱きしめる。いいないいな。羨ましい。私には誰一人よってきてくれないのにえのこの所へはたくさんの人が集まる。

だから私は今日腕をおろし抱きしめてもらうことを諦める。無理だから。

あの子には敵わない。

あの子が羨ましい。1度でいいからあんなにたくさんの人に囲まれてみたかったな。



私が両手を広げたら沢山の人がよってくる。

若い人、年寄りの人、男に女…実に様々な人がよってくる。

それに比べて隣のあの子の所へは誰も寄っていかないみたい。いいないいな。羨ましい。

私に寄ってきてくれる人達は皆やさしい人とは限らないんだ。中には怒り狂ってる人、憎悪を露わにしてる人、怖い人…そんな人達がいるんだ。だけど私はそんな人たちも抱きしめなきゃいけない。だって腕を下ろすことが出来ないんだから。私は一生腕を下ろせないんだから。

あぁあの子が羨ましい。

自らの力で腕を下ろすことができるなんて。あぁあの子みたいに自分で自らの未来を決めることが出来たら良かったな。

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