暗黒騎士様といっしょ!の構想
笹木さくま(夏希のたね)
暗黒騎士様といっしょ!の構想
3巻のあとがきでも触れていましたが、『暗黒騎士様といっしょ!』は売上の方が芳しくなくて、続刊を出す事ができませんでした。
応援して下さった読者の皆様、誠に申し訳ございません。
そのお詫びといいますか、私自身が区切りを付けて前に進むためにも、続きが出ていたらこんな話だったという構想と、作中で明かされていなかった秘密などを、簡単に紹介させて頂こうと思います。
【あらすじ】
暗黒騎士・アルバとの決闘に敗北した皇帝・ジュラーフの宣言により、次の皇帝は深き迷宮の地下七階に辿り着き、迫る災厄を討ち払った者になると決まった。
自分が皇帝になれるかもしれないと、数多の冒険者達が勇んで迷宮に挑むなか、それを苦々しく思う者達がいた。
皇帝の娘である、第一から第六までの皇女達である。
彼女達は末妹の第七皇女、エルフの魔術師・ルーファが、このままでは最も次期皇帝に近い今の状況が許せなかったのだ。
自分達が虐めてきた妹から、仕返しを受けるかもしれないという恐怖。人間至上主義の貴族として、エルフの皇帝に跪くなど耐えられないという自尊心。
様々な感情が入り交じり、かつては帝位をめぐって敵対する事が多かった六人の皇女達も、今だけはルーファを敵として一致団結するのだった。
そうして、姉妹達が謀略を巡らせるなか、第三皇女は彼女の愛人であり冒険者でもある美形の白騎士・ウォルフの元に向かった。
「あぁ、愛しいウォルフ。馬鹿な姉妹や、まして薄汚いエルフなんかではなく、必ずや貴方を皇帝にしてあげるわ」
「ありがとうございます、姫様」
恋の熱に浮かされた第三皇女の唇を、白騎士は優しく奪う。
その正体が帝国によって滅ぼされた小国の王子であり、彼が冒険者として力をつけたのも、美貌を利用して第三皇女に取り入ったのも、全ては帝国を滅ぼして復讐するためだという事を、知る者は誰もいなかった。
◇
皇女達の陰謀などつゆ知らず、アルバは今日も今日とて深き迷宮に潜っていく。
進化した魔物に苦戦したり、幼馴染みの妖精・クックーが現れて、ルーファと恋の鞘当てを演じたりしつつも、順調に探索を続けていった。
そうして、地下四階の守護者を退治しに向かったアルバ達だったが、皇女達の策略によって窮地に追い込まれてしまう。
だがそこに、美少女の戦士や魔術師を引き連れた白騎士のパーティーが現れて、彼らの窮地を救うのだった。
「ありがとう」
「同じ冒険者同士、助け合うのは当然です」
お礼を告げるアルバに、白騎士は爽やかな笑顔で握手を求める。
「帝国を救うために、貴方が地下七階に向かう時は、是非協力させてください」
そう言い残し、仲間の美少女達と共に去って行った白騎士の背を、アルバは笑顔で見送る。
だが、ルーファは嫌そうに顔を歪めて舌打ちするのだった。
「何ですか、あのいけ好かない男は。ずらずらと女ばかり引き連れて、迷宮はハーレムを作る場ではありませんわよ」
「それ、ワシらのパーティーにも突き刺さるのじゃが?」
「仲間の女達も女達です。男にあんな媚び媚びの態度をとって、冒険者として恥ずかしくないのかしら」
「その台詞は鏡に向かって言った方がよいのう」
ドワーフの重戦士・ガーネットからツッコミを受けつつも、ルーファは白騎士に対して何か嫌な予感がして仕方がないのだった。
◇
さらに月日が経ち、終焉の魔神が復活するという年明けまで、あと三ヶ月まで迫ったところで、アルバ達はついに地下六階に到達する。
魔物を倒して霊気を高め、ありったけの装備を整えた彼らは、地下七階への道を阻む最後の宿敵・暗黒騎士を倒すために仲間を募る。
黒髪の女侍・チドリと、その仲間であるオークの戦士・ウィロウに加え、蒐集会の三人や聖乙女といった六階級の冒険者達、そして、アルバ達と同時に地下六階へ到達した、白騎士ウォルフ達のパーティーが加わった。
「アルバ殿、ついにこの時が来たのだな」
「俺は暗黒騎士にリベンジできればそれで十分だ」
「こっちは暗黒騎士の装備と、地下七階の魔物を調べられたら十分だよ~」
「帝位はアルバさんに任せます。世界を救うために頑張りましょう」
各々の思いを胸に、最強のパーティーは暗黒騎士の元へと向かう。
そうして、死傷者が出る激戦の末、ついにアルバの大剣が暗黒騎士の胸を貫いた。
「……勝った?」
喜びと戸惑いが混じった声を上げるアルバ達の前で、暗黒騎士は今までの魔物達と同じように、魔力の光となって消え――なかった。
戸惑う彼らの前で、倒れた暗黒騎士の兜が外れ、その素顔が露わになる。
それは人間の男だった。
何かに侵食されているのか、顔面にヒビ割れのように不気味な光が走っていたが、魔物などではなく、アルバ達と同じ人間であった。
「これはどういう事ですのっ!?」
驚愕するルーファ達を余所に、暗黒騎士はアルバに向かって微笑み、「……彼女を頼む」と言い残すと事切れるのであった。
その瞬間、アルバ達は光に包まれて、気がつくと夜空のような暗い空間に立っていた。
「ここが地下七階?」
「よく来ました、新たな英雄達よ」
「誰だっ!?」
驚くアルバ達の前に、闇の中から浮かび上がるように、真っ白い美しいエルフの女性が現れる。
そして、彼女の背後に禍々しい巨大な渦が現れた。
「ここが迷宮の最下層、あらゆる生命の思念が集う世界の中心『混沌』なのです」
エルフの女性・アンドロメダはそう言って、全ての真相を語り始めた。
千年前、今では迷宮の深層にしか現れない強力な魔物達が、平然と地上を闊歩していた時代。
人間やエルフ、ドワーフといった人類は魔物達に怯えて、森や洞窟に隠れて暮らすほかになかった。
しかし、そんな現状を打ち破るために、種族を超えて団結した戦士達が現れた。
人間の男戦士・レムレス、同じく人間の男戦士・レオナルド、妖精の男魔術師・オベロンと、その恋人である女魔術師・ティターニア、性別も名前も不明な黒装束の忍者、そしてエルフの女魔術師・アンドロメダ。
彼ら六人は必至に戦い続けて、竜や巨人すら倒せるほどの英雄に成長し、ついには魔物を生み出している元凶たる混沌の元に辿り着く。
だが、混沌はあらゆる生命の思念が集まったモノ。即ち、全ての生命を殺し尽くさぬ限り、混沌を滅ぼす事などできはしない。
六人の英雄達は苦悩し、その末にアンドロメダが答えを出した。
「この身を蓋へと変えて、混沌の力を抑えましょう」
そうすれば混沌を滅ぼす事はできずとも、地上に現れる魔物の数や力を減らして、大勢の人々を救う事ができる。
仲間達は反対したが、アンドロメダの意志が強固な事を知ると、ついには折れて頷いた。
そうして、アンドロメダを柱として、オベロンとティターニアが創り上げた封印の大魔術。それこそが『深き迷宮』の正体であった。
幾層もの異界というフィルターによって、混沌の力=魔力を閉じ込めて、地上に強力な魔物が生まれないようにした迷宮。
それはいつか、アンドロメダの力が尽きた時に、代わりとなって混沌を抑える、次の英雄を育てるための修練場でもあった。
アンドロメダの恋人であった戦士・レムレスは、邪悪な者から彼女を守り、また新たな英雄を試す番人となるために、混沌の力に触れて不老の超人――暗黒騎士と成り果てた。
また、密かにアンドロメダを想っていたもう一人の戦士・レオナルドは、遠い未来に多くの英雄達を生み出すために、深き迷宮に挑む人々を集め、いつしかそれが街となり、帝国の初代皇帝と呼ばれるようになった。
しかし、オベロンとティターニアの妖精夫婦は、戦友を犠牲にして得た平和を、無邪気に喜ぶ人達に幻滅して、人里を去って孤島に引きこもってしまった。
謎の忍者も思う所があったのか、何も言わずにその姿を消してしまった。
それから約千年の時が経ち、アンドロメダの体が限界に達し、混沌が再び地上に溢れ出そうになった今、ついに現れた新たな希望――
「それが貴方達なのです」
「…………」
思いも寄らぬ真相を明かされ、言葉をなくすアルバ達を余所に、アンドロメダはルーファの顔を見詰める。
「我が友レオナルドの血に連なる者が、我が同胞のエルフと子を成し、偉大な魔術師となってここに辿り着いたのも運命だったのでしょう」
「それでは……」
「皇女ルーファ・オーラム・ゴルドー、世界を救うために私の跡を継いでください」
「…………」
ルーファは即答出来ずに黙り込む。
だが、世界と自分一人を天秤にかければ、答えは一つしかなかった。
「分かりま――」
ルーファが頷こうとした瞬間、ドスッと鈍い音を立てて、アンドロメダの胸から白刃が現れる。
いつの間にか彼女の後ろに回り込んでいた白騎士ウォルフが、背中から剣を突き立てたのだ。
「なっ……!?」
「ふっ、ふふふっ、あーはっはっ!」
驚愕するアルバ達の前で、ウォルフは善人の仮面を捨て去って、狂気の笑みを浮かべる。
「想定とは違ったが、こいつが死ねば混沌の力とやらが解放され、地上に魔物が溢れて帝国が滅びるのだろう? ……ついに、ついに俺は皆の仇を討ったぞっ!」
長年の復讐が叶ったと、歓喜に打ち震えるウォルフに、ルーファは動揺しながらも杖を構える。
「己の復讐心を満たすためだけに、罪なき人々まで巻き込もうなど、私が絶対に許しません!」
「黙れ、薄汚い侵略者め! 貴様らがのうのうと生きているくらいなら、世界など滅びてしまえばいいのだ!」
「えっ? えっ?」
アルバは突然の事態に混乱しつつも、仲間を守るために剣を取る。
そうして、ウォルフとその仲間達が襲いかかってきたが、死傷者が出ていたとはいえ、アルバ達の方が強かった。
追い詰められたウォルフは、仲間である美少女達を盾にして時間を稼ぎ、渦巻く巨大な混沌に手を触れる。
そこから流れ込んできた膨大な魔力によって、彼は巨大な魔物――終焉の魔神へと姿を変えるのであった。
魔神の力はあまりにも強大で、ツバキやウィロウ達は倒され、アルバの大剣も折られてしまう。
しかし、吹き飛ばされた彼の前に、それは待っていたように転がっていた。
妖精王オベロンが造り出した複製ではなく、その元となった真の『
千年前、数多の魔物を屠り、千年間、数多の冒険者を退け続けた、最強の大剣を握り締め、アルバは魔神と化したウォルフに渾身の一撃を見舞う。
「ギャアァァァ―――ッ! まだだ、帝国が滅びる様をこの目に焼き付けるまで、まだ終われない……っ!」
致命傷を受けたウォルフは、さらなる力を求めて混沌にその身を投げる。
だが、ほんの僅かに触れただけで、魔神と化すほどの膨大な力の奔流を、たかが一人の人間が受け止められるはずもなかった。
ウォルフの体はまるで地獄の亡者達に引きずり込まれるように、混沌の奥底へと消えていったのであった。
◇
最後の戦いを終えて、重傷であったが一命を取り留めていたアンドロメダを前に、ルーファは改めて決意を固める。
「帝国を、この世界を救うために、私が新たな混沌の蓋となります」
そうして、大粒の涙を浮かべながら、アルバに向かって微笑んだ。
「アルバ様、今までありがとうございました。さようなら、お元気で」
そんな彼女の決意に対して、アルバは――
「えっ、嫌だ」
あっさりと拒否を示すのだった。
「ア、アルバ様?」
「ルーファとお別れするなんて、嫌だ」
困惑するルーファに対して、アルバは真顔で繰り返す。
「ルーファ一人を犠牲にした平和なんて、僕は嫌だ」
「で、でも……」
「また千年後の誰かに、犠牲を押しつけるのも嫌だ」
「それはそうですが……」
根本的な解決にならないと痛い所を突かれて、ルーファは言葉を詰まらせる。
「ですが、このままでは溢れ出した魔物達によって、世界が滅ぼされてしまうのですよ?」
そんなアンドロメダの問いに、アルバは懸命に考え込み、そして生涯最高の閃きを得て答えた。
「なら、みんなが強くなればいい」
「……え?」
「一部の冒険者だけでなく、世界中の皆が、この迷宮で鍛えて強くなればいい」
そうして、一般人でも溢れ出してきた魔物を倒せるなら、ルーファが蓋となって混沌を抑える必要もなくなる。
「でも、そんな事は流石に――」
「いや、ありじゃな」
不可能だと言おうとしたルーファの声を、ガーネットが遮る。
「寄生行為――鍛えた冒険者についていけば、霊気など簡単に鍛えられるのじゃ。誰もが三階級くらいの力を身に付ければ、そうそう大きな被害は出まい」
それに、千年の間に人類の数は桁違いに増えて、技術も大幅に進化している。
地上に魔物が溢れ出しても、千年前に巻き戻るとは限らなかった。
「あと、皆が力をつけるのは、人間同士の争いをなくすためにも良いかもしれぬ」
ゴルドー帝国が各地に戦争を仕掛けて、次々と勝利を収めてきたのは、冒険者という強大な戦力を独占してきたからだ。
だから、世界中の人々が霊気を鍛えて、帝国一強の現状が崩れれば、少なくとも帝国による侵略はなくなるだろう。
「そうすれば、あの白騎士のような憎悪の化身を、新たに生み出さずに済むじゃろう」
「なるほど!」
「そこまでは考えておらんかったのじゃな……」
感心するアルバに、ガーネットは呆れ顔でツッコむ。
もちろん、世界中の人々が力を手に入れた事で、新たな争いも生まれるのだろう。
それに、魔物による被害をゼロに抑える事も不可能であろう。
「じゃが、ワシは親友を犠牲にするくらいならば、皆に恨まれる方がマシなのじゃ」
「ガーネット……」
ルーファは大粒の涙を流し、そしてアルバの顔を見詰める。
ガーネットに尻を叩かれた彼は、照れて顔を赤く染めながらも、素直な気持ちを打ち明けた。
「僕は、世界中の誰かよりも、ルーファに幸せでいて欲しい」
「……アルバ様っ!」
ルーファは感極まって、アルバの胸に抱きついて泣きじゃくる。
こうして、彼らの長い冒険は幕を閉じたのであった。
◇
深き迷宮を踏破した者として、第四十二代皇帝となったルーファは、全ての人々に向かって真実を明かし、そして迫る危機への対策を語った。
アンドロメダが力尽きても、フィルターである深き迷宮がすぐに消えるわけではないので、残された十数年の時を使って、世界中の人々に霊気を鍛えさせて、きたる魔物達の出現に備える。
「皇帝や冒険者といった、一部の者だけが力を独占し、大勢の人々を従わせる時代は終わったのです。これからは皆が自らの力と責任で世界を築いていくのです」
英雄の犠牲によって成り立った古い千年は終わり、新たな時代が幕を開けたのだ。
「よって、私は帝政を廃し、国民一人一人の意見によって成り立つ国――ゴルドー共和国の樹立をここに宣言しますっ!」
それが美しい言葉に反して、どれだけ茨の道なのか、理解できた者は一握りであっただろう。
ただ、人々は自分達が主役となり、新たな時代を築いていくのだという事に、この時ばかりはただ歓喜の合唱を上げるのだった。
そんな熱狂に包まれる帝都に背を向け、アルバはチドリとクックーの三人で旅立っていた。
(僕は馬鹿だから、忙しそうなルーファの手伝いができないからな。落ち着くまでの間に一度故郷へ戻って、爺ちゃんと婆ちゃんに今までの報告をして、そうしたら――)
(ふふふっ、恋も戦も勝敗は最後まで分からぬもの。この旅の間に、アルバ殿の心を掴んでみせる!)
(――とか考えているんでしょうけれど、アルバは絶対に渡さないわよ!)
各々の思いを秘めて、妖精島へと向かって歩き出すアルバ達。
その背中を遠くから追いかける、エルフとドワーフの少女達がいた。
「お主な、皇帝に即位したその当日に、国から逃げ出すのは流石にマズいじゃろ?」
「知りません。帝国は共和国となり、今や私も一人の国民でしかないのですから、好きにさせて貰います」
後の事は暇をしていた前皇帝こと父親と、今までの仕返しに『誓約』の魔術をかけて、逆らえないようにした六人の姉達に押しつけたから大丈夫だと、ルーファは笑顔で開き直る。
「そんな事よりもガーネット、貴方一人だけ不戦敗で逃げようなんて、この私が許しませんからね」
「……何の事じゃ?」
「ふんっ、シラを切っていられるのも今のうちだけです」
本当に心当たりがなければ、今こうして共に彼を追いかけているはずもない。
親友の心が同じ男に向いている事くらい、ルーファはとっくにお見通しだったのだ。
「さあ、アルバ様、ここからが真のラストバトルですわっ!」
青い空の下を、皇女でも英雄でもなくなった少女は、一人の乙女となって駆けていく。
彼らの冒険は終わったが、本当の戦いはもう少しだけ続くのであった。
【解説】
という感じで、暗黒騎士アルバ(馬鹿、鈍感、善人)とは真逆の白騎士(利口、女タラシ、悪人)というラスボスを倒し、ほぼルーファで確定だけど、もう少しだけドタバタが続くんじゃよ、というラストを考えていました。
物語全体のオチとしては、『英雄になれない槍使い』とはまた別のアンチ英雄譚というか、初代聖剣伝説のような平和のために誰かを犠牲にする物語に対しての、自分なりの回答といった感じです。
(弁解しておくと、聖剣伝説自体はあの切ないラストも含めて大好きです。だからこそ、自分の作品では丸パクりになる展開をしたくなかったのです。基本ギャグな本作にシリアスは似合いませんしね)
アルバの決断には賛否あると思いますが、世界の運命なんて重すぎるものを、たった一人の人間に背負わされても困るという話でして。
ただ、人々は支配される事を望まぬくせに、支配から解放してくれる英雄を望み、けれども自らが英雄になろうとはせず、そんな楽を望む怠惰な人々こそが新たな支配者を――という話は、それこそジャンル違いになるので止めておきましょう。
(こういう重い話が大好きな人は、名作SRPG『タクティクスオウガ』をプレイしよう!)
与太話はこの辺りにして、書き損ねた設定を明かさせて頂きます。
まず、千年前の六英雄である、正体不明の忍者というのは、永遠の乙女亭のマッチョな女店長さんの事です。
彼女は秘術によって何度も転生を繰り返しながら、戦友がいる深き迷宮を見守っていたのでした。
同じく戦友である妖精王オベロンとは、時々ですが再会しており、遠い東の国のお米とか醬油は、彼に買って来て貰っていたのです。
だから、アルバの事も最初から知っていて、思わせぶりな発言をしていたのでした。
また、アルバの武器が恐ろしい外見に反して、『
見た目が悪魔みたいなのも、鬼瓦のように「魔をもって魔を退ける」という意味が込められていました。
あと、ルーファがアンドロメダの血筋という設定も考えていました。
(エルフは長寿なので、アンドロメダの妹の孫がルーファの母親くらいの、わりと近い血筋です)
なので、ルーファの母親と話をすると、千年の間に歪んだ帝国の伝承とは異なり、少し真実に近い伝承を聞ける、という展開も考えていました。
そんなこんなで、暗黒騎士様の構想や解説でしたが、如何でしたでしょうか。
ちゃんと全編を書けたら良かったのですが、新作の執筆に取りかかっていて時間がなかったのもあって、こういう形で公開させて頂きました。少しでも楽しんで頂けましたら幸いです。
この構想を公開した日には、新作『不殺の不死王の済世記』が発売されていると思いますので、よろしければそちらもご覧下さい(宣伝)
それでは、私が説明し忘れた未回収の伏線など、何か質問がございましたら、できる限り答えさせて頂きますので、よろしければ感想欄の方にご連絡下さい。
追記・混沌はまんまWiz5の『災渦の中心』だろというツッコミは、胸の奥にそっと仕舞っておいてください。
暗黒騎士様といっしょ!の構想 笹木さくま(夏希のたね) @kaki_notane
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