OZの魔法使いとバニラトラックとドラゴンと俺 α版

オキタシロウ

1.台風とイグアナと高額収入

 空は一面、重い雲に覆われ、周りの風景をどこまでも灰色に染めているようだった。

 思えばここ数ヶ月、ずっとこんな灰色の世界で生活していた気がする。


 勇んで転職した老舗教育出版社。

 複数社でのIT関連の技術やPJ立ち上げ経験を評価され、プロジェクトの責任者として採用された。

 組織を作りからスタートして、メールとエクセルと水性マジックで書くリアルなホワイトボードしかツールのない環境に、メッセンジャー、タスク管理ツールといった現在ではあたりまえのツールを、昭和生まれのおじさん達の反対にあう中、なんとか懐柔と説得をしながら導入を進行。

 事業計画を立て、組織編成して、事業を立ち上げたところで、所属するグループ会社の社長から突然の解任を言い渡された。

 理由を聞くと、

「ジョブローテーションで担当を代わってもらう」

 と真顔で告げられた。

 給与も年間で数百万円ほど落とされるという。

 計算してみると20年前の初任給と同じ額だった。

「ジョブローテション?」

 はたして意味がわからなかった。

「なにか落ち度でもありましたか?」

 昭和生まれの悲しいところで、自分に落ち度がなかったかと、これまでの行動を内心でもあらためてみる。

 入社当日から丸投げされる、一瞬思考が停止するような難題&珍題を余すところなく対応してきたはずだ。

「だからジョブローテーションだと言っているだろうが!」

 怒鳴られる理由もよくわからなかった。

「うちの会社では、みんな従うんだよ」

 冷たく言い放ってドヤ顔を披露する社長とこれ以上話していても埒があかなかったので、納得できなまま、一旦会議室をあとにする。

「みんな言うことを聞くぞ」

 出ていく私の背中の方から、さも当然といった声が聞こえた。

 すぐに直属の上司と役員兼副社長に声をかけて、別フロアの会議室で今あった話をしてみると、

 二人とも顔がみるみる青ざめていき、

「まったく聞いていない」

 と言う。

 すぐに、副社長が社長に掛け合ったが、ジョブローテションとしか理由を言わないらしい。

 どうも二人の様子がおかしいので、話を聞いてみると、どうやら以前にも中途入社の社員に対して同じようなことを何回か行っているらしい。

 同じように中途で入社をして、苦労をともにしたプロジェクトメンバーにも話をしてみると、彼らも声を上げてくれた。

 落ち度もないのに降格するのはおかしいと。

 中途採用とプロパーとの待遇の格差について、皆で我慢してきたこともあり、これをきっかけにプロジェクトの立ち上げメンバーが次々と上層部への不満をあらわにしだす。

 すると、いつの間にか社内で採用が進んでいた新メンバーへ次々と担当を変更する辞令が出始めた。

 あっという間に、旧メンバーは役職や担当から外され、必要なときだけ呼ばれる、便利屋と化した。

 旧メンバーは失敗チーム。

 新メンバーは新選抜エリートチーム。

 上層部でそのような位置づけがさも当然のように公表された。

 引継ぎもろくに行われなかったため、新メンバーではどうしてもプロジェクトの推進に問題が出てくる。

 俺たちはそんな問題を解決だけする便利屋家業、いわゆる彼らのケツ拭きが仕事になっていった。

 そのうち、仕事はほとんど来なくなり、フロア自体が「追い出し部屋」という名のリストラ部屋になって2週間。たまにやってくる、ケツ拭き仕事をこなしつつ、転職するか悩む日々。

 そんな中、今日もまた一人、退職願いを提出した。

 怒りを通り越して、今は絶望に近い諦めの境地。


「大型で猛烈な勢力の台風20号は10日(木)19時に、非常に強い勢力を保ったまま、12日(金)夜から13日(土)にかけて関東など東日本に接近し、上陸するおそれがあります。本州の太平洋側を中心に広い範囲で暴風や高波、高潮、大雨等に厳重な警戒が必要です」


 五反田にある本社ビルを出たのがちょうど22時30分。

 ほとんどの社員は帰宅していたが、尻拭い仕事を片付けていたらこの時間になった。

 ちなみに、この仕事を押しつけてきたプロパーな感じの社員は、台風が関東に接近するだいぶ前の15時には帰宅済みだ。

 池上線が止まっていなことを祈りつつ、いざとなったらアプリでタクシーを呼んで帰ろうか、などと考えていると、目黒川の辺りでこれまで経験したこともないような突風が、これでもかという猛烈な勢いで吹き荒れてきた。

 近くの工事現場から通行止めの立て看板がものすごい勢いで飛んでくる。

 古いビルの赤黒く染まった外壁が、灰色の空へと舞い始め、水位の上がった目黒川の水が、黒い波のように隆起を始めた。

 吹き付ける雨と風は砂利をぶつけられるように痛い。

 命の危険をこれでもかと、思い切り感じはじめた。

 どこかで何か悪い夢でも見ているような錯覚が頭を覆う。

「会社に戻るか?それともこのまま進むか?」

 決断を迫られながら、腕で顔を守りつつ進んでいると、突然、目の前から緑色の物体がものすごい勢いで飛んできた。

 体をひねって避けようとするが、思い切り顔面ににぶつかり、思わずのけぞる。

「ってぇ~~~!」

 顔面に何か、柔らかな、艶めかしい物体が、猛烈な勢いでぶつかった感覚。

 物体の方はボチャリと、水位が上昇している道路に落ちた。

 顔面をさすりながら、その物体の方を見る。

 そいつは俺の方を見上げると、すくっとまっすぐ立ち上がり青いつぶらな瞳でこちらを睨みつけていた。

 俺が(もしくは私が)もし、あと30センチでもデカかったら、そのなまっちろい喉笛を噛み切るぞ!おらぁ!!

 なんだかとても気合いの入ったご様子で、雨に打たれる中、瞬き一つせず、こちらを睨み付けている。

「!???」

 台風の最中、デカいトカゲのような生き物にメンチ切られる不思議体験に混乱する。

 なんだ、この生物は以前、昔ドラマのタイトルにもなっていたよな。

 イグアナ…だっけか?

 いや、なんでそんなに俺をにらみつける?

 体調はちょうど30センチほど。

 けっこうデカ目のトカゲ科の彼(または彼女)が俺の目の前に立ちはだかっている。

 見つめ合うこと、数秒。

 どんどん強くなる風と雨、街中にある色々なモノが飛んでくる。

 ほとんど垂直に立っていることが難しい。

 むしろ、四つ足で立っている分、このトカゲの方が安定している気がする。それに、トカゲが器用に水面を泳ぐ映像も見たことがある。

 俺は、そっと、その大ぶりのトカゲの横を通り過ぎようとした。

 ギロリと、トカゲが俺のことをまた睨んだ。

 そして、さも、この小さな生き物をここにこのままにしていくことがどれほどの罪悪に繋がるのか、地獄に落ちたいのか?そうなのか?と、目で訴えている気がした。

 人間には、2種類の人間がいると以前聞いたことがある。

 蜘蛛を触れない派と、蛇を触れない派。

 それは厳格にわかれるらしい。

 俺はと言えば、できれば両方を一生触りたくない、触れという奴は前に出てこい!この野郎!という、学説をまっこうから否定する派だ。

 トカゲは蛇じゃないけど、鱗がどうもね。

 猫だったら、すぐに助けたのに。

 俺はまごうことなき猫派だ。

 なんて考えている間に、風はもうほとんど立っていられないほど強烈になってきた。

「ええ~い!ままよ!」

 俺は叫ぶと、ザブリと水に手を突っ込んで、トカゲやろうをすくいあげ、両手で抱え込んだ。

 デカい上に、冷たいうろこが気持ち悪い。強めの赤と緑のコントラストのテクスチャーが更に気味の悪さを助長する。そして、何気にけっこう重かったりする。

 背筋に冷たいモノが走り、鳥肌が立つのを必死にがまんする。

 だいたい、子どもの頃はヤモリとか蛇とかつかんだりできるのに、大人になるとなんでだめになるんだろうね。ほら、カブトムシとかセミとかも、平気で掴めたのに、今はあの


”脚脚脚脚脚脚脚脚脚脚脚脚脚脚脚脚脚脚脚脚脚”


の裏側なんてみちゃったらもうだめだよね。

 そういえば、先日、神奈川の駅のホームでカブトムシを助けたよ。黄色い線の内側におちていてね。あの時も鳥肌が止まらなかったな。井上陽水の曲が妙にしみるよね。カブトムシ、こわれた…♪

 などと、別の思考で気をまぎらわせつつ?再び歩き出したところで、こいつをこのまま抱えて、電車に乗るのはちょっとまずいと気がつく。

 ペットは遺失物扱い!ってことで、最寄りの警察署まで寄っている余裕も無い。

 突然、ふわりと身体が浮いた気がした。

 突風が身体をすくい上げ、そのまま冠水した道路の水面に足先から着水する。

 かなりヤバい状況だ。細かな石のようにたたきつけられる雨と、それ自体、何か生き物のような質量を持つ風。


 翌日の行方不明者一覧にならびたくないと思った。


 ちょうど、目黒川沿いにかなり古くからある旅館の前だった。

 いつも営業しているのかしていないのかわからない、黄色い土壁の向こうの古い建物群。

 目黒川の黒い水面が、まるで生き物のように自分の背丈ほどに隆起したような気がした。

 もはや検討の余地無く、敷地内に駆け込むと、手近な建物に逃げ込もうと辺りを見回す。

 しかし、旅館の入り口には割と大きめの木の板が打ち付けられていてとても中に入れそうにない。

 水かさは既に足首の辺りまで来ていた。

 イグアナを抱えたまま、焦る気持ちで周りを見回すと、割と大きめのトラックが、旅館前の空きスペースに止められている。


 こ、これって、もしや、バニラトラック?!


 あの歌いながら町中をねり走る、高額収入の例のあれだ。

 説明がめんどくさいわけではないけど(ほんとは面倒くさい)、わからんかったら検索してな。

 トラックの車体には、ギャル系の女の子と札束、高額収入!とこれでもかという大きさで描かれている。


 まあ、背に腹は代えられない。(意味あってる?)


 俺は、イグアナを肩に乗せると、バニラトラックの少し高い位置にある運転席に登りはじめた。

 その間に、イグアナは俺の頭の上に登ってきた。この野郎!と思うが今はそれどころではない。

 必死にドアレバーを引くと、ラッキー!、鍵はかかっておらず開けることができた。

 運転席に体を滑り込ませるようにして乗り込むとドアを閉める。

 すぐに窓の外を見ると、辺り一面、30センチ程度水没していた。

 トラックは車高が高く、まだ運転席まで水は来ていないが、それも時間の問題のような気がした。

 まだ、ヤバい、まだヤバいぞ、こんちくしょう。

 トラックのタイヤはまだ完全には水没していない。

 外の状況から、トラックを出て、他の安全地帯を探すのは不可能に思われた。

 俺は、映画よろしく続けざまにダッシュボードやサイドボックスなどを空け、そして最後にサンバイザーを開くと、鍵が落ちてきた。よかった、ダッシュボードを引っぺがして結線するとか俺には無理だし。

 さて、ここで一つの課題点が頭をよぎる。


 このままこのトラックを動かしてしまうと、これは窃盗罪になるだろうか?


 いやいや、緊急避難行為でしょ。たとえば、命の危険にさらされているような状況であれば、刑法の構成要件に該当しないって言うあれ。違法性阻却事由とかいう舌噛みそうなやつ。昔、大学の先輩が研究室の観葉植物に「違法性阻却事由」と名前をつけて水をやってたっけ。

 よし、大丈夫。学歴社会では何にも役に立たない大学だったけど、法学部出ておいて良かったね。

 ちなみに俺は、「要件定義」と「構成要件」をよく言い間違える。なんか似てない?

 さて、この間にイグアナ君は俺の頭の上でくつろぎだしていたが、無視することにした。

 ちょっと頭から降ろそうと手をだしたら、なんかこれまで聞いたことのないような威嚇音を出されたので。

 とりあえず、鍵を差し込んで回してみると、エンジンは一発でかかった。 

 そして、流れ出す、あの音楽。


「バッニラ、バニラ、バニラ、求人♪、バッニラ、バニラ、バニラ、コウシュウニュウ♫」

「・・・」


 とりあえず、突風と豪雨の中、陽気に歌うトラックは無視することにして、二つ目の課題点に気がつく。


 そもそも、この大型トラックを俺は運転できるのか?


 学生の頃、演武会に使う畳を本部道場に取りに行く際に、師範から何事も修行だと、1トントラックの運転を任されたことがある。

 車の運転があまり好きでない俺が友人に相談すると、


「トラックは車じゃねぇ。ガンタンクだ。ガンタンクだと思え!」


 と言ってきた。なかなか頼もしい友人である。そこで俺も、


「これはガンタンクだ。ガンダムには乗れなかったけど、ガンタンクには乗れた!俺はリュウ・ホセイだ!」


 と暗示をかけて、師範に何かと小言を言われながら、ギクシャクとそれこそガンタンクのような運転で大量の畳を運んだことはある。

 けどこれ、2トンくらいはありそうなんだよね。しかもタイヤがほとんど水につかってるし。

 悩むこと暫し。

 とりあえず、そっとアクセルを踏んでみる。


 動いた。


 当たり前だ。

 そうだ、このトラックで駅前の交番まで行って、保護を求めよう。

 ついでにこのムカつくイグアナやろうも他人の遺失物として預けちまおう。


 すると、突然、俺の頭の上のイグアナが鳴き出した。


 イ、イグアナって鳴くの?!

 びっくりした。カエルならまだしも、この形態のハ虫類が鳴くのって、かなり引くわー。

 しかも、そのけたたましいこと凄まじい。

 バックミラーに映るそいつはまっすぐ上を見上げ、雄叫びをあげている。


 なんだ、こいつ。


 すると、これまで横から叩きつけるように降っていた雨が、突然、上へと舞い上がり始めた。

 それと同時に、凄まじ風切り音が辺りを包み込む。まるで、デカい掃除機で吸い込まれるような、そんな大騒音。

 ふわりと、車体が浮いた気がした。


 うん?2トンだよ。さすがにないよね。


 トラックは一度地面でバウンドすると、そのまま上へとまるで吸い込まれるように上昇を始めた。

 5メートル上昇したところで、木にひっかかっていた荷台部分が外れると、くるくると回転をしながら、更に上昇する。

 マジか!このトラックはVTOL機(垂直離着陸機)だったのか!

 と、ぼけてみたが、もはやこの世の終わった感は半端ない。

 トラックはくるくると回転しながら、どんどん上昇していく。

 すでに、22階建ての本社ビルは、タイヤの下の方だ。


 灰色の地上。真っ黒な空。

 吹き上がる猛烈な風と雨。

 鳴き叫ぶイグアナ。

 ガンダムに乗れなかった俺。


 新聞にはなんて載るんだろう。見知らぬトラックの中で、イグアナと一緒に発見され、ケーサツはどう思うんだろう?

 くるくると回る運転席で、俺は猛烈な吐き気に襲われた。

 船酔いなんてモノじゃない。マジで気持ち悪い。

 助手席に置いてあったビニール袋の中身をとりあえずシートにぶちまける。

 袋を口にあてがうと、来たるべきものに備えた。


 回転飛行の歌うバニラトラック。

 頭上で鳴き叫ぶイグアナ。

 リバース直前の俺。


 多分、絵画にすると、かなり前衛的な現代アートになりそうだ。

 もう、バンクシーもびっくりって感じ。

 吐こうとすると、吐けないもどかしさ。

 そのうち、トラックの回転も収まり、トラックは少しずつ滞空?しだした。同じタイミングで、ようやく雄叫ぶイグアナも大人しくなる。

 接触がずれたのか、歌うトラックも黙った。

 一気に静かになると、とたんに現実が押し寄せる。


 ああ、このまま落ちていくんだな。


 思えば短い人生だった。

 就職超超超超超超絶対氷河期で社会に出て、昭和のなごりのブラック環境で休みなく毎晩遅くまで働き続け、ようやく光が見えてきたと思ったらITバブル崩壊、リーマンショックと立て続けに裏切られぶち壊され、IT業界の色々な隆盛に翻弄されただけで俺は死ぬんだな。


 急速に高まる落下感に自然と体が備えようと身構える。

 ・・・

 ん?全然落下しないんだけど。

 窓の外を見ても、雲とおぼしき黒と灰色の濃淡が凄まじい勢いで後ろへと流れていく。

 やはりこのトラックはVTOL機だったか。

 きっとこんな時の思い込みは大事だ。

 良くわからんが、とりあえず、まだ死ぬことはなさそう。

 暫く緊張しながら落下を待つが、トラックはそのまま飛行?を続けている。

 20分ほど経って少し気持ちが落ち着くと、靴から頭の先まで全身ずぶ濡れ、そして、頭の上では大きめのイグアナがくつろいでいることに気がついた。

 トラックのエンジンはかかったままだ。とりあえず、暖房をつける。

 背負いっぱなしのバックパックを広めの助手席におろし、中からタオルをだして、拭いてみる。

 頭も拭きたいので、恐る恐るイグアナに手を伸ばすと、大人しく助手席に降ろすことができた。

 トラックはなぜか安定飛行を続けている。

 とりあえず、人心地ついたところで、助手席のシートの下に見覚えのある円筒型の筒が目に入った。


 さっきビニールからばらまいた物だな。


 キリン一番搾り、EBISU、黒ラベル

 と書いてある。他にも八海山と書かれたワンカップ。

 スルメとジャーキー、いかり豆があった。


 空を飛ぶトラックで飲酒したら、飲酒運転にあたるのか?


 ちなみに俺は、現在、運転をしていない。

 AIで走る車のなかで飲酒したらそれは、道交法違反になるのだろうか?

 いいや、もう、めんどくせー。

 どうせ死ぬんだし。

 俺は、五〇〇ミリの一番搾りをパキリと開けると一息にグビリとやってみた。

 う、うめー…

 椎名誠さん曰く、こういうときのビールは「うまい」ではなく「うめー」と言わなければならんそうだ。

 末期の酒ってこんな感じなのね。

 いかり豆を口に放り込み、さらにビールを流し込んでいると、イグアナの奴が恨めしそうにこちらを見つめている。

 思えばこいつも不憫だよなぁ。遠くアフリカくんだりから運ばれてきて、五反田のマンションのベランダあたりからふき飛ばされ、そして、俺と共にバニラトラックで墜落死するんだもんな。

 俺は、スルメを袋から取り出すと、イグアナの前に置いてやった。

 顎の力が強いのか、バターでも噛むように、スルメをパクパク食べ始める。

 試しにワンカップの日本酒をキャップに少しとって出してみると、長い舌を器用につかって、上手そうに飲み干した。


 なんだ、おまえ、けっこういけるくちじゃねーか。


 更に注いでやると、ちびりちびりやりながら、スルメを食べている。

 エアコンからでる暖かな風が心地よい。


 色々ありすぎちゃって、疲れたのかな。今日という日も、人生も。


 3本目のワンカップを飲み干す前に、俺は深い眠りへと落ち込んでいった。


To be continued

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