ロードピスの想区

プロローグ

 ───昔々、エジプトのあるお屋敷に、ロードピスと言う名の女奴隷がおりました。彼女は肌が白く、美しい顔立ちをしていたため、屋敷の主人からとても可愛がられていました。しかしそれ故に、他の奴隷達からひどく妬まれ、いじめられていました。


 ある日、お屋敷のご主人のお客様をもてなすために、踊りを披露しました。お客様はとても喜び、ご主人は褒美として、綺麗なバラの飾りのついたサンダルを送りました。ロードピスはそのサンダルを肌身離さず持ち歩いていましたが、他の奴隷達から嫉妬され、ますますいじめられるようになってしまいました。


 ある日、エジプトの王様が大きなお祭りを開き、ご主人が出掛けることになりました。奴隷達もご主人の付き添いとしてついていくことになりましたが、ロードピスは奴隷達からたくさんの仕事を言いつけられて、行けませんでした。仕方なく川で洗濯をしていると、突然空から隼が舞い降りて、ロードピスの大切なサンダルを咥えて飛びさってしまいました。大切なサンダルを失くしてしまい、ロードピスは悲しさのあまり、泣き崩れてしまいます。


 その後、隼はお祭りを開いた王様の元へ飛び、咥えたサンダルを王様の元へ落として去って行きました。王様は「このサンダルの持ち主を妃にむかえよと、神がお告げをくださったのだ」と言い、そのサンダルの持ち主を国をあげて探しはじめます。


 そして王様は、ロードピスの屋敷を訪れて───

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