グリムノーツreport

ノンノン

フィーマンの想区

プロローグ

―――この世界の人間達は、生まれながらにして、一冊の本が与えられる。


全智の存在、ストーリーテラーによって定められた自らの生きる全てが記された書物。運命の書。


人々は、運命の書の記述し従い、自らの生を全うする。たとえそれが、いかなる役割であろうとも、人はその役割から逃れることはできない。


だが、稀に世界に現れる何の運命も記されていない「空白の書」の持ち主達。彼らは役割を持たないが故に、己の意志で自由に世界を渡り歩き、生き方を選ぶことができる。


しかしそれは、自由に道を踏み外せてしまうことと同義である。


我々は、先の見えぬ霧の中を進むが如く、己の道を見失わぬように見定め、歩まねばならない。


この世界に、生まれた者として。―――

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