牧番生活

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第1話 牧番生活

今年も牧番生活が始まった。

4月から11月までの夏放牧の時期に、放牧地の牧番小屋に泊まり込み

毎日、牛の無事を確認。

牧区移動。

牧柵修理が主な仕事。


ここは、牧場というより、放牧地。

牧場の様に、牛舎があるわけでも種牛がいる訳でもない。

標高900mにある広大な原野。


地元牛と他の地域から合わせて80頭から多い時で200頭近くの牛を預かる。

私は、ペーターの様なもの。


放牧地は11箇所の牧区に分けられていて、放牧している牧区に草が無くなれば、次の牧区へ牛たちを移動させる。


その広大な原野の真ん中にポツンとプレハブの牧番小屋がある。

風呂なし、簡易トイレ、光が届いていないので、ポケットWifiで頑張っている。

電波は微弱で場所を探さないとなかなか入ってくれない。


ここは、観光牧場ではないので、普通の人は入れない。

「伝染病予防の為、立入禁止」区域。

山道から500mほど入ると入り口のゲートがある。

どうしても観光客は、そこまで不法侵入してくる。

ゲートには鍵がかかっているので、そこで引き返している。


そんな場所。原野での生活を少し綴ってみようと思います。

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