ああ、冒険の日々よ

シーズン1

恋は盲目なのね 1

 まぁ、そんなわけで。

 冒険者の試験(主に筆記と面接)もどうにか突破し、これがユーリの輝かしい冒険のはじまりはじまり! 栄光の道の第一歩!となるわけだったわけだが。

 どうやら前途多難だ。いや、それはわかっていたのだが、想像以上というかね。

 なんとあいつ、簡単なクエスト、初級の初級もいいところの『薬草採取』でつまづいている。ってかあいつどこいった? はぐれちまったぞ。ギルドのやつから、薬草のある場所に印のついた地図までもらったというのに。

 ってか迷うかね、こんな小さな森で。いくらオレ……モンスターとニンゲンの感覚が違うとはいえね。地図なしで薬草の在処にたどり着いてしまったオレはとりあえずユーリを待つことにした。


「あら、こんなところにスライム? 珍しいわね……っていうか絶滅してなかったのね」

 おぉ? 気配を全く感じなかったぞ。不意に声をかけられ、オレは振り向く。

 そこには黄金の長髪、とんがった耳をした、まぁ典型的なエルフの女がいた。

「ああ、ちょっとここの薬草を採りに来たんだ」

「この森で薬草を……あぁ、あなた、冒険者になったばかりなのね」

「ご明察」

 まぁ、巻き込まれた結果、オレも何故か冒険者登録されてしまったわけなのだが。


「ところでアンタも薬草を採りに来たのか? 初級冒険者の傷をちょろっと癒せる程度の効能しかないこの薬草を?」

「ええ、その薬草が必要なのよ。色々な種類の薬草を調合して、薬を調合しなきゃならないの」

「怪我人がいるのか?」

 エルフは暗い表情でうつむく。

「ええ、そんなところね」

 ワケアリって感じだな。こういう時は巻き込まれないように、放っておくのが一番。

 ……なんだけどなぁ。

「薬草の調合っていったな。たぶん、力になれるぜ」

 エルフの目が大きくなり、表情がぱっと明るくなった。花が咲いたみたいだ。

「ホント? 助かるわ。近くの町には調合師いないから……。お礼はするわ。ついてきて」

「おう」

 あー、どうしてこうなんかなぁ、オレは。

 困っているやつを放っておけないんだよな、どういうわけか。

 悪いな、ユーリ。あとは一人で頑張ってくれ。

 オレはエルフの後に続き、森を抜けた。

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